活動休止中の各Jクラブがビデオ会議システム『Zoom』を活用する中、ガイナーレ鳥取は「Zoom勉強会」を実施。選手からの発案で、スタッフが講義を行ない、オフ・ザ・ピッチでの成長につなげようとしている。

上写真=4月22日の「Zoom勉強会」の様子、様々な意見が飛び交ったという(写真◎ガイナーレ鳥取)

セカンドキャリアも見据えて

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各Jクラブは軒並み活動を休止している。不要不急の外出を自粛しなければいけない状況で活躍しているのが、ビデオ会議システム『Zoom』だ。映像と音声で複数の人物が同時にコミュニケーションを取れるサービスで、Jリーグ事務局や一部のJクラブが取材対応に利用しているほか、選手とコーチングスタッフが参加して合同トレーニングに利用しているクラブもある。

 そんな中、4月11日から活動を休止しているガイナーレ鳥取は、選手向けの「Zoom勉強会」を始めている。4月16日に第1回、22日に第2回が行なわれ、鳥取の運営会社である株式会社SC鳥取の経営企画本部長、高島祐亮氏が講師となって、参加選手たちにオンラインで話しかけた。

 この会は、DF藤原拓也の発案によって実現した。神奈川大から2015年にアスルクラロ沼津に加入し、5年間のプレーを経て今季、鳥取に完全移籍した27歳は、ある思いで、チーム始動後のオフシーズンからプランを温めていたという。

「沼津では5年間、午前中に練習した後、午後は働きながらプレーしていましたが、サッカー以外で学ぶことが多かったんです。鳥取では仕事をしないことになり、サッカーに集中できるのは良いのですが、一人の人間として長い目で見たとき、それでいいのだろうか、という思いがありました」

 沼津での経験に加えてセカンドキャリアも見据えており、「現役時代はサッカーに集中した方がいい、という考えもあるかもしれませんが、選手である以上、サッカーファーストは当たり前。その上で、空いた時間を有効に使いたい」という思いがあった。そこで、鳥取のスタッフとなる前にIT関連のベンチャー企業などで働き、豊富な知識と経験を持つ高島氏と話し合ううちに、勉強会の開催を思いついたという。