松江シティFCとの練習試合でキャプテンマークを巻いたMF楠美圭史は、ポゼッションスタイルで戦うチームの中心として機能。クラブ初、自身4年ぶりのJリーグに向けて、さらなるレベルアップを目指している。

上写真=3人いるキャプテンの1人としてキャプテンマークを巻いた楠美(写真◎石倉利英)

パスワークの中心地

 JFLの松江シティFCとの練習試合はFC今治のホーム、ありがとうサービス.夢スタジアムで、一般にも公開されて実施された。45分×3本で今治は2回先行されたが、その都度追い付き、トータル2-2の引き分け。中盤の一角で1、2本目(1-1の引き分け)にフル出場したMF楠美圭史は、「いまチーム状態がすごく良い。久しぶりにお客さんが見に来てくれている中での試合だったので、勝ちたかったですが、追い付けたのはよかった」と印象を語った。

 東京ヴェルディとヴェルスパ大分を経て2017年に今治に加入し、3年目の昨季、念願のJリーグ昇格を果たした。今季はスペイン国籍のリュイス新監督が就任しているが、「監督のやりたいことを少しずつ、僕自身も、周りも理解できている。精度を高めることは、もっとやらなければいけませんが、チーム全体としては徐々に形になっていると思うので、続けていくことが大事だと思う」と、ここまでのチームづくりを語る。

 ボールポゼッションを重視するリュイス監督のサッカーにおいて、ボランチの一角でプレーする楠美の役割はパスワークの中心地。監督に求められていることを問われ、「ボールをたくさん触ること、その中でしっかり動きを作ってボールを進めていくことは、常に求められている」と語った楠美は、「自分の隣に誰がいるかを意識してやることが大事。精度をもっと高めなければいけない」と課題を挙げた。

 今季はDF駒野友一、DF園田拓也と並び、3人が指名されたキャプテンの一人。代表してキャプテンマークを巻くが、「僕以外の2人がすごく経験のある方なので、何か率先してやるのではなく、2人の力を借りながらやっている」という。それでも「何かを発信するタイプではないですが、ピッチに立ったらしっかりプレーで示していきたい。3人で協力しながら、これからもやっていければ」との言葉に、チームを引っ張る自覚がにじむ。

 J3リーグは開幕前に中断期間に入っており、クラブ初、自身4年ぶりのJリーグでの戦いは、まだ実現していない。「明日にでも開幕してほしい」と笑顔で語るキャプテンは、その日を待ちわびながらチーム力アップを目指している。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英