27日、明治安田J2リーグが各地で行われ、カンセキスタジアムとちぎでは18位の栃木SCと2位の清水エスパルスが対戦。後半にスコアが動き、住吉ジェラニレショーンのゴールで清水が1−0の勝利。3年ぶりのJ1昇格を決めた。一方、敗れた栃木はJ3降格が決定。明暗が分かれる結果となった。

上写真=清水が3年ぶりのJ1復帰を決めた(写真◎J.LEAGUE)

■2024年10月27日J2第36節(観衆16,476人@カンセキ)
栃木 0−1 清水
得点:(清)住吉ジェラニレショーン

住吉のゴールで勝利をつかみ取る!

 引き分け以上の結果をつかめば、3年ぶりのJ1昇格が決まる清水だが、前半は負ければJ3降格決定の可能性がある栃木の粘り強い守備に苦しめられた。チャンスを作るもゴールは遠く、攻めあぐねる。結果、0−0でハーフタイムを迎えた。

 そのタイミングで、他会場で1時間早く試合をスタートさせていた3位長崎が鹿児島に4−1で勝利を収める。清水はその時点で勝たなければ、この試合で昇格を決めることができなくなった。

 50分、ついにスコアを動かす。右コーナーキックの場面。宇野禅斗が蹴ったボールをニアで中村亮太朗がすらし、ボックス内で住吉ジェラニレショーンが右足ボレー。ゴール右下を射抜き、清水が先制に成功した。

 前節も山形相手に先制した清水だったが、その後に2失点して逆転負け。同じ徹を踏まないとばかりに、この試合では得点後も積極性を維持し、受け身にならずに相手ゴールを目指していった。

 一方で栃木も、他会場で秋田と戦う17位大分がリードしており、負ければ降格決定となるため、ハードな守備から攻めに転じるプレーを徹底し始めた。前半にはCKから決まったかに見えた石田凌太郎のシュートがオフサイドで取り消されるなど、惜しい場面を何度か作り出していたが、後半は縦一本を狙う攻撃が増える。ただ、清水の守備を崩すまでには至らなかった。

 残り時間10分を切り、思わぬ事態が起こる。途中出場でキャプテンマークを巻いていた清水の北川航也が森俊貴に倒された際に報復行為を働き、一発退場となったのだ。

 以降、一人少なくなった清水は守備に軸足を置いて戦うことになった。そして栃木はシンプルなボールをゴール前に徹底して送り、ゴールに迫っていった。
 
 8分間のアディショナルタイムも攻める栃木、守る清水の構図が変わらず。90+3分には清水のGK沖悠哉がDF住吉とぶつかってハイボールを処理しきれず、こぼれ球をラファエルに狙われたが、原輝綺がコースに入ってブロック。事なきを得たが、危ない場面だった。

 結局、試合はそのまま決着。苦しみながらも清水が3年ぶりのJ1復帰を決め、栃木は7年間過ごしたJ2からJ3に降格することになった。

住吉の先制ゴールが決まり、喜びが爆発した!(写真◎J.LEAGUE)