FC町田ゼルビアのMF宇野禅斗が、10月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞した。『DAZN Jリーグ推進委員会』では月間表彰選手をインタビューしており、サッカーマガジンWEBはJ2の月間MVPに迫る。10月8日の第38節・ヴァンフォーレ甲府戦でプロ初得点を含む2ゴールをマーク。第39節のロアッソ熊本戦では見事なロングシュートで先制点を決めて、J1初昇格への口火を切った。11月20日に20歳の誕生日を迎える直前、忘れられない10月や今シーズン、さらに今後への思いを聞く。

上写真=10月度のJ2月間MVPは宇野禅斗が受賞! 3得点の活躍で初のJ1昇格とJ2優勝に貢献した(写真◎J.LEAGUE)

メンバー外になって原点回帰を意識した

――10月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞されました。まずは率直な感想をお願いします。

宇野 まさか選ばれるとは思っていなかったので、ありがたいし、うれしい気持ちです。チームが優勝と昇格を決めることができた10月に、活躍を評価していただけて、本当にうれしく思います。

――10月で最も印象に残っている試合は?

宇野 (J1昇格が決まった)熊本戦と言いたいところですが、プロ初ゴール、そして土壇場で同点に追いつくゴールを決めた甲府戦(△3-3)は自信につながりました。初ゴールを決めることができた喜びもあり、とても印象に残っている試合です。

――その甲府戦の前の3試合はメンバー外でした。ケガなどがあったのでしょうか。

宇野 特にケガなどではなく、僕の状態や、他の選手のプレーの評価でメンバーが決められたのだと思います。

――それまで勝利に貢献できていたのにメンバーから外れ、心と体をどう整えたのですか。

宇野 当時、チームの結果は出ていましたが、僕個人のプレーを見返したとき、評価できる試合はあまりありませんでした。メンバーから外されても納得のプレーだったと思います。もちろん悔しい気持ちはありましたが、また謙虚な気持ちで一からやろうと切り替えました。

 ただ、何試合もメンバーに入れないと、やはり試合に出たい気持ちが出てきますし、悔しい気持ちの方が強くなります。でも今年のチームは、結果を出した次の試合でもメンバー外になる選手がたくさんいて、そういう先輩方の背中を見てきました。「腐らずにやらなければ」という気持ちにさせてくれる先輩たちの存在は大きかったです。

――具体的には、どんなところを修正したのですか?

宇野 まず監督に求められていたのは、ボールを奪われないことだったので、ボールを奪ったり、セカンドボールを拾った後のプレーの質を上げることに重きを置きました。ボールを奪う感覚も少し良くないなと感じる時期でもあったので、原点回帰をしながらマイナスを作らないことを意識していました。

――甲府戦では得点場面以外でも、中盤から飛び出してゴール前のチャンスに絡んでいくプレーが多く見られました。

宇野 プロになってから、攻撃の部分は自分の中で求めて取り組んでいました。あの試合から1・5列目くらいの位置でプレーすることを求められ、普段より少し高い位置だと意識していたので、得点につながった場面でも、中に入っていく意識を出せたのかなと思います。