徳島ヴォルティスのFW森海渡が、5月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞した。『DAZN Jリーグ推進委員会』では月間表彰選手をインタビューしており、サッカーマガジンWEBはJ2の月間MVPに迫る。4月最後の試合で加入後初得点を挙げ、今季初勝利に貢献すると、量産態勢に入った5月は3試合連続ゴールなど6試合6得点と大暴れ。絶対の自信を持つスピード、強烈な右足シュートを武器とするストライカーに、好調の要因や徳島への思いなどを聞いた。

上写真=5月度のJ2月間MVPは森海渡が受賞! 4月最後の試合での初ゴールを機に覚醒した(写真◎J.LEAGUE)

試合に出られなくても、腐らず取り組んだ

――5月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞されました。おめでとうございます!

 ありがとうございます。このような賞をもらえて本当にうれしいですし、光栄です。

――5月は6試合で6得点を挙げる大活躍でした。その中でも特に印象に残っている試合と、ゴールは?

 試合で印象に残っているのは、FC町田ゼルビア戦(5月28日:第18節・〇2-1)です。首位のクラブ相手に自分たちのサッカーがどれだけできるかという一戦で、90分間を通して主導権を握ることができました。退場で10人になった相手から自分も含めて2得点を奪い、しっかり逆転勝ちできたので印象深いです。

 ゴールは、2得点したツエーゲン金沢戦(5月18日:第16節・〇2-0)での1点目(40分)。相手が前からマンツーマン気味に守ってくるというスカウティング情報があり、その裏をかいて決めたゴールです。最後は少し右に運んで、相手の足がちらっと見えたので、股を抜いてニアサイドへのシュート。狙いどおりでした。

――金沢戦だけでなく、大宮アルディージャ戦(5月7日:第14節・〇3-1)でも2得点を決めていて、どちらもエリア外から右足で決めました。シュートレンジが広いですね。

 右足には自信があり、前を向いたらゴールという意識は常に持っているので、少しでもスキがあれば狙っています。最も自信があるのはスピードで、意識しているのは相手の背後を取る動きや、相手を抜き去るスピードをピッチで表現できるようにすることです。

――5月にゴールを量産できた要因は、どんなところにあると思いますか?

 自分自身、すごく調子が良いという感触はないんです。後ろからのビルドアップでパスをつないでくれる仲間との連係で、うまく決めることができているので、仲間には本当に感謝しています。

――今季は大分トリニータとの開幕戦(2月19日・●1-2)で先発した後、4月のV・ファーレン長崎戦(4月16日:第10節・●0-4)まで先発出場がありませんでした。

 思うように試合に出られない時期が続きましたが、ここで腐ったら徳島に来た意味がなくなってしまうと思い、トレーニングに励みながら、いつでもいける準備をしていました。腐らず取り組んだ結果が、いまにつながっていると思います。

――ベニャート・ラバイン監督からはプレー面で、どんなことを求められていますか?

 柿谷(曜一朗)選手との2トップで、お互いの関係を意識して、スペースを見ながらプレーするように言われています。守備でも、相手ボールへのプレッシャーが始まるポジションなので、スイッチを入れることについて厳しく言われますね。

――柿谷選手へのアシストや、逆に柿谷選手のアシストからのゴールもあります。一緒にプレーしていて、どんなことを感じますか?

 抜群にうまいので、すごくやりやすいですし、のびのびやらせてもらっています。ふとしたトラップやパスが、本当にうまいんですよ。それを止めるか、というボールを止めて、そこに出すか、というところに簡単にパスを出す。試合中も「うわっ、うまいっ!」と思います(笑)。