FC町田ゼルビアのFWエリキが、2・3月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞した。『DAZN Jリーグ推進委員会』では月間表彰選手をインタビューしており、サッカーマガジンWEBはJ2の月間MVPに迫る。2・3月の6試合は5勝1分け、第2節から4月最初の第7節にかけてクラブJ2新記録の6連勝も記録するなど、スタートダッシュに成功した町田の攻撃をけん引。加入1年目、初のJ1昇格への得点源として今後も期待されるアタッカーに、好調の要因や日本での生活、自身初挑戦のJ2を戦い抜く自信などを聞いた。

最も大事なのは、チームが勝利すること

ゴール後に見せる『W』パフォーマンスを、インタビュー中に特別公開! 夫人と母親に捧げるものだという(写真◎スクリーンショット)

――2019年に母国ブラジルから横浜FMに加入したときも、2021年に中国のクラブに移籍したときも、今回の町田でも、加入後すぐに新チームにフィットして結果を残しています。何か秘訣があるのですか?

エリキ 一番重要なのはメンタル面で、常に物事をポジティブに捉えるようにしています。また、常に勝者のメンタリティーを持つことを心がけています。ブラジルでのアカデミー時代、さらにプロになってからも教わり、意識していることです。高いレベルのプレーを続けていくためには、メンタル面とフィジカルコンディションの準備が非常に大切で、そうすることで大事なゴールやアシストが可能になり、チームの勝利に結びつくと信じています。良いコンディションを保ち、良いメンタルで試合に臨むことが、チームに早くフィットするためのコツですね。

――子どもの頃からFWでプレーしていたのですか?

エリキ ずっとFWなどの攻撃的なポジションでプレーしてきました。多くのゴールだけでなく、アシストも記録してきて、中国のクラブではゴールよりもアシストの方が多かったんですよ。いずれにしても私は攻撃的なポジション、攻撃的なサッカーが好きです。

――町田のクラブ公式YouTubeチャンネルのインタビューで「ゴールとは『喜び』である」と話していました。子どもの頃から、たくさんの喜びを感じてきたのですね。

エリキ ゴールは私にとって、この上ない喜びであり、幸せでもあります。ただし最も大事なのは、チームが勝利することです。ゴールも大事ですが、チームの勝利に、より大きな喜びを感じます。

――同じYouTubeチャンネルのインタビューで、横浜FM時代から見せているゴールパフォーマンスの『Wポーズ』(3本の指を『W』のように立てて顔に当てる)は、プロキャリアの初期にサポートしてくれた奥様とお母様への感謝を込めたものだと話していました。2人の名前の最初の文字が『W』だからとのことですが、偶然同じだったのですか?

エリキ そう、偶然です。妻と交際しているときから、2人の名前の『W』が同じであることは気付いていて、プロ初ゴールを決めたら『W』のパフォーマンスをしたいと思っていました。妻とは長い付き合いで、今年で結婚して8年になりますが、同じ街の出身で、幼なじみのような存在なんです。家族同士でも15年間以上の付き合いがあって、自分の家族はもちろん、妻の家族のことも、とても大切に思っています。これからも重要なゴールを決めたときは、感謝の気持ちを込めて『W』のゴールパフォーマンスを見せたいです。

――ピッチ上のパートナーであるFWミッチェル・デューク選手や、ほかのチームメイトとは、どのようにコミュニケーションを取っているのですか?

エリキ 英語を少し話せるので、分かる選手とは英語でコミュニケーションを取ります。いくつか日本語も覚えているので、試合中のコーチングなどは日本語でもしっかり聞いて、理解することが必要です。ただサッカーは、チームメイトと言葉だけでなく、パスや動きなどのプレーでコミュニケーションを取ることができますし、それが大切だと思っています。町田にはクオリティーの高い選手たちがそろっているので、技術面でも戦術面でも、しっかりプレーを合わせていくことが重要です。