明治安田生命J2リーグを終えて初めて開催されたのが「J2リーグアウォーズ」。見事に最優秀選手賞に輝いたのは、横浜FCのFW小川航基だった。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、得点王とベストイレブンと合わせて個人3冠に輝いたエースにインタビュー。大きな自信がにじみ出る言葉を聞いてみよう。

上写真=小川航基が最優秀選手賞、ベストイレブン、得点王の個人3冠達成!(写真◎J.LEAGUE)

打たないフォワードは怖くない

――J2アウォーズで、最優秀選手賞、ベストイレブン、得点王として表彰されました。本当におめでとうございます。個人3冠ですね。

小川航基 ありがとうございます。今シーズンは得点も取れましたし、チームとしてもJ1昇格を達成できていいシーズンでした。僕が各賞をいただけたのも、監督や、僕に点を取らせたいと思ってくれるチームメートのおかげです。僕は一人でどうこうするタイプではないので、周りに助けられていただけた賞ですから、感謝したいです。

――監督や選手の選考が元になっていますから、その点でも価値がありますね。

小川 優勝できなかったので、正直なところ、(最優秀選手賞は)僕ではないかもしれない、という思いもありました。でも、それも覆す評価を周りにしていただけたことがうれしいです。率直に初代のJ2MVPという賞をいただけてうれしく思っています。

――26得点を挙げて得点王に輝きました。大きな飛躍を遂げましたね。

小川 正直、自分ではこれぐらいはできるという自信がありました。いままでなんでできなかったのか、僕自身が疑問に思うことがあるぐらいです。これが持てる力だと思いますし、得点を奪えたのもキャンプから仲間の特徴をつかめたことが要因だと思います。

――今季、残した実績にまつわる数字を簡単にまとめてみました。この中で、特に印象深いものはありますか。

小川 まずはゴールの内訳ですが、右足、左足、ヘッドのバランスが、僕のストロングポイントです。つまり、小川航基とはこういう選手である、ということを示した数字になっていると思います。どこからでもゴールを奪えるというバリエーションの多さがフォワードとしての売りで、そのことを、J2という舞台で成功体験として体現できたのがよかったです。

――右足で10点、左足で8点、ヘッドで8点。本当にバランスがいいですね。

小川 あとは1試合平均シュート数ですね。ジュビロ磐田時代に当時の名波浩監督に言われたのが、シュートを打たないフォワードは怖くないよね、ということでした。どんな形からでもシュートをどれだけ打ったかが、フォワードには大事なんだと名波さんに言われてきました。シュートを打つフォワードは怖い、ということがこの数字に表れましたね。

――1試合2得点を7回、5試合連続ゴールを2度、という積み重ねも大きかったですね。

小川 単純に、26ゴールも積み上げることができたのは、1試合2得点を多く記録できたからですよね。1試合1試合、積み重ねていくことももちろん大事ですけど、複数得点が数字を伸ばすために絶対条件だと思っていました。それが7試合もあったことが大きかったですね。