明治安田生命J2リーグ第36節はウイークデーの9月14日に行われるタイトなスケジュール。首位に立ったアルビレックス新潟はヴァンフォーレ甲府と、勝ち点68で並ぶ2位の横浜FCはモンテディオ山形と、続く3位のファジアーノ岡山は徳島ヴォルティスと、いずれもアウェーで戦った。横浜FC、岡山が敗れたのに対して、新潟は勝利。一歩前に出た。

上写真=新潟は三戸舜介が復帰2戦目で鮮やかな追加点。昇格へ前進した(写真◎J.LEAGUE)

仙台は伊藤彰監督に初勝利をプレゼント

 アルビレックス新潟、横浜FC、ファジアーノ岡山の上位3チームは、それぞれアウェーでの対戦になった。笑ったのは新潟だ。

 ヴァンフォーレ甲府との一戦で18分、左サイドでワンタッチパスを前後に2本続けて小見洋太が抜け出し、ゴールライン際まで持ち込んで強引に左足シュート、これがニアサイドを破ってゴールに飛び込んだ。序盤でさっそく優位に立つと、今度は後半から入った三戸舜介が大仕事。相手ミスを奪って高木善朗の足元にボールが入ると、後ろから追い越してスルーパスを受け、そのまま冷静に左へシュート。負傷で戦列を離れ、前節で復帰したばかりのアタッカーが、64分に一瞬でゴールを奪ってみせた。

 81分にはロングパスから最後はウィリアン・リラにチップキックシュートを決められて1点を返されたが、なんとかしのいで勝利。これで勝ち点を71として、前節で返り咲いた首位をキープした。

 新潟より30分早く始まったモンテディオ山形対横浜FCは、山形が快勝だ。0-0のまま終盤にもつれ込む緊迫の展開の中、79分、前にパワーをかける横浜FCの高いラインの裏を突いてチアゴ・アウベスが抜け出し、GKとの1対1を落ち着いて制した。4分後にもチアゴ・アウベスがペナルティーエリアで受けて落ち着いて振り向きざまに左足を振って、DFに当たりながらもゴールにねじ込んだ。横浜FCはこの2点を返すことができずに沈黙。スコアを動かせずに、6試合ぶりの黒星を喫した。

 4連勝で一気に2強に詰め寄ってきた岡山は、徳島ヴォルティスのホームに乗り込んだ。0-0で折り返した試合は53分に動いた。左から右へ、さらに左へと振って相手を揺さぶった徳島が、最後は藤尾翔太がヘッドでしっかりとゴールに送り込んで先制した。これが決勝点となり、岡山は5試合ぶりの敗戦を喫した。

 これで新潟が勝ち点71、横浜FCが68、岡山が63となり、新潟がリードする展開に。このほか、栃木SCと対戦したベガルタ仙台が、伊藤彰監督に代わってから初勝利を手にして、連敗を5でストップし、4位に浮上。ロアッソ熊本はFC町田ゼルビアと0-0で引き分けて、勝ち点1を積み上げるに留まった。岡山から6位の大分トリニータまでがプレーオフ圏内に位置するが、7位のV・ファーレン長崎、8位の山形は消化試合数が1試合少なく、まだまだ予断は許さない。

 多くのチームで残りは6試合。いよいよラストスパートに入っていく。

横浜FCは6試合ぶりの黒星だが、まだ首位とはわずか3ポイント差(写真◎J.LEAGUE)

岡山は1点に泣いて敗れた。それでも2位と5ポイント差は変わらず(写真◎J.LEAGUE)

J2第36節の結果

■9月14日
岩手 1-2 千葉
得点:(岩)モレラト(千)櫻川ソロモン、田口泰士

山形 2-0 横浜FC
得点:(山)チアゴ・アウベス2

水戸 0-1 長崎
得点:(長)クレイソン

栃木 0-1 仙台
得点:(仙)中山仁斗

群馬 0-0 琉球

大宮 2-2 大分
得点:(大宮)袴田裕太郎、中野誠也(大分)ペレイラ、サムエル

東京V 0-2 秋田
得点:(秋)才藤龍治、オウンゴール

山口 1-1 金沢
得点:(山)前貴之(金)小野原和哉

徳島 1-0 岡山
得点:(徳)藤尾翔太

熊本 0-0 町田

甲府 1-2 新潟
得点:(甲)ウィリアン・リラ(新)小見洋太、三戸舜介