発信しているのは、心の底からの言葉
――そのSNSで9月6日、試合前にモチベーションを高めるために、チームメイトやスタッフに掛けている言葉を紹介していました。「我々は今季、歴史を刻む」という一文もありましたね。
バイス クラブハウスの中でも、外でも、メディアの皆さんに対しても、SNSでもそうですが、私が発信しているのは、すべて心の底からの言葉です。信じることができる人がチーム内にいれば、他の人もついていくことができます。もちろん口で言うだけではなく、自分の足で証明することも大切です。
――J1昇格争いは佳境を迎えます。バイス選手は徳島ヴォルティスでプレーしていた2019年は、J1参入プレーオフ決定戦で敗れて昇格を逃し、昨季は京都サンガF.C.でJ2の2位となって昇格を果たしました。そうした経験を踏まえて、岡山が初のJ1昇格を実現するためには、何が必要だと考えますか。
バイス ここまでのシーズンも、残りの試合もそうですが、昇格を実現するためには、非常にたくさんのことが必要になります。一つ言えるとすれば、何かを成し遂げるためには、何かを犠牲にしなければいけない。昇格は突然やってくるものではなく、ラッキーでやってくるものでもありません。自分たちが作り上げてきたことで成し遂げることができるのです。何を犠牲にしなければいけないのかは分かっています。でも、ここで話してしまうとJ2の全22クラブが昇格できるチームになってしまうので、言わないでおきましょう。
――最後に、ファン・サポーターの皆さんへのメッセージをお願いします。
バイス 皆さんには本当に感謝しています。9月4日、FC町田ゼルビア戦でのシティライトスタジアムの雰囲気は素晴らしいものでした(※今季最多、コロナ禍が始まる前の2020年2月以来の1万人超えとなる1万0584人の観客が詰めかけ、2-0で勝利)。残りのホームゲームも同じような雰囲気にしてもらえると、とてもうれしいです。今季最初から変わらない皆さんのサポートが今後もあれば、我々からも何かを与えることができるでしょう。
――だんだん上達しているという日本語でもメッセージをお願いします。
バイス イッショニ、ガンバリマショウ!
(文中の記録などはJ2第34節終了時点のものです)
取材・構成◎石倉利英
JORDY BUIJS◎1988年12月28日生まれ、オランダ出身。2007年にフェイエノールトでトップチームに昇格し、その後もオランダの複数のクラブでプレー。ルーマニア、オーストラリアのクラブを経て、2018年7月にV・ファーレン長崎に完全移籍した。19年は徳島ヴォルティスに期限付き移籍。20年に京都サンガF.C.に完全移籍すると、21年は12年ぶりのJ1昇格に貢献した。同年限りで退団し、今季ファジアーノ岡山に完全移籍。パワフルな守備と攻撃への貢献で初のJ1昇格を目指すチームをけん引している。186cm、86kg