7月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞したのは、V・ファーレン長崎のFWエジガル・ジュニオだ。『DAZN Jリーグ推進委員会』では月間表彰者をインタビュー。サッカーマガジンWEBでは、J2MVPに迫る。6試合すべてに出場し、5試合連続の計6ゴールを決める大活躍。混戦が続くJ2で、逆転で自動昇格をつかみ取るために、輝き続ける。

数字は言わない

Jリーグ100試合出場の表彰で、何よりも大事にする家族とともに(写真◎J.LEAGUE)

――7月10日のいわてグルージャ盛岡戦で、記念すべきJリーグ100試合出場となりました。

エジガル・ジュニオ アジアでトップレベルのリーグで100試合出場を達成できたのは感謝の気持ちしかないですし、誇りに思います。多くの選手が日本でプレーしたいと思っている中で、J1でもJ2でもプレーできたし、引き続きプレーできているので光栄なことだと思います。

――そんなエジガル・ジュニオ選手の活躍もあって、7月は3勝3分けとチームも好調でした。

エジガル・ジュニオ ここ数カ月は、自分たちが成長しているのは感じますね。ただ、まだ成長段階で、もっともっと伸びていかなければいけません。スキもあって、特にホームでは勝ちきれなかった試合もありますから、もっと勝利に近づけて連勝できるようにしたいですね。

――カリーレ監督はどんな監督ですか。

エジガル・ジュニオ 非常に選手に近い監督で、もちろん本人も選手だったからですが、自信をつけさせてくれて自由にやらせてくれます。戦術的にも個人的にも細かく説明をしてくれて、楽しい練習もきつい練習もありますが、自信をつけさせてくれています。彼の経歴を見れば、僕が説明しなくてもすごさはわかると思います。

――その新監督とともに好調を維持した7月を経て、昇格を狙える位置につけていますね。

エジガル・ジュニオ 昇格する自信はすごくありますし、監督の下で一生懸命やっています。スキを与えたところもあるので、修正して成長できれば自動昇格もできますし、そうでなくても最後まであきらめない姿勢は見せていきます。サポーターの方々が最後まで応援してくれるので、そんな皆さんと昇格してみんなで祝いたいと思います。

――そのためにはエジガル・ジュニオ選手の活躍が必須ですが、30節までのすべての試合に出場している長崎で唯一の選手です。コンディションを整えて試合に出続けることは非常に難しいだけに、活躍の秘訣ではないですか。

エジガル・ジュニオ 1年を通して練習に一生懸命になることが一番ですが、ほかにも練習前に筋トレで補強しています。しっかりとプレーできるベースはそこで作ることができていると思います。バランスが大事ですから、全身のいろいろな部位を鍛えています。

――さらに、警告も一度も受けていません。最前線で厳しいマークを受けながらも、ジェントルに戦う姿も印象的です。

エジガル・ジュニオ フォワードでもディフェンスをしなければなりません。チームのために守備でも貢献したいと思いますが、これまでもあまりカードをもらったことはないんです。でも、チームが勝つためには、相手にケガをさせてはいけませんが、激しく戦うプレーをせざるを得ないこともあります。

――このインタビューの時点で、残りは12試合となりました。昨年は32試合に出場して15得点、今季はここまでの30試合で10ゴールを決めてきて、ゴールだけが仕事ではないとはいえ、昨季超えも十分に視野に入ります。ここからどれだけ狙いましょうか。

エジガル・ジュニオ 先ほども言ったように、得点よりも勝利が一番です。それは変わりません。誰が決めてもチームが勝てばいいですからね。もちろん、フォワードなのでたくさん決めたいですが、数字は言いません。昇格が重要なので、その目標が達成できれば満足です。

(文中の記録などはJ2第30節現在のものです)

取材・構成◎平澤大輔

Profile◎EDIGAR JUNIO/1991年5月6日生まれ、ブラジル出身。初来日はバイーアから横浜F・マリノスに移籍した2019年で、16試合で11得点といきなり活躍したが、負傷で戦線離脱。20年途中にはV・ファーレン長崎に移籍した。21年には32試合で15得点を挙げて、J2の得点ランクで4位に入っている。多くのゴールバリエーションを持ち、その得点力でJ1昇格へと引っ張っていく。仲間に感謝する真摯な性格にファンも多い。10日に一度は食べないと気がすまないほど寿司が好きで、中でもサーモンには目がないとか。174cm、72kg。