明治安田生命J2リーグは6月18日と19日に第22節が行われた。後半戦の最初のゲームで実現したのが、2位のベガルタ仙台対3位の横浜FCの上位決戦だった。勝ち点で並ぶ両者は点を取り合ったが、横浜FCが逃げ切った。アルビレックス新潟はホーム10連勝のクラブ新記録で、首位をキープしている。

上写真=サウロ・ミネイロが電光石火の先制点。仙台対横浜FCの上位対決は、横浜FCに軍配(写真◎J.LEAGUE)

岡山がじわり3強に迫る

 J2は早くも後半戦に突入。2巡目の戦いはさらに熾烈になるが、その幕開けにふさわしかったのが、同じ勝ち点で並ぶ2位のベガルタ仙台と3位の横浜FCの直接対決だった。

 試合はいきなり動く。5分にサウロ・ミネイロが縦パスに反応して、驚きのスピードで右サイドを抜け出してからそのまま蹴り込んだ。このまま後半に入ったが、意地を見せたのは仙台。62分に小気味よくパスをつないで中央にもぐり込むと、氣田亮真が強烈に狙う。DFにあたったこぼれ球を中山仁斗が確実に蹴り込んで、同点に追いついた。

 勝負の行方を占うのは、このあとの連続ゴールが大きかった。74分、右サイドからイサカ・ゼインのセンタリングをニアでワンタッチで押し込んだ小川航基のシュート、4分後にもイサカ・ゼインのセンタリングが相手に当たりながらもニアに届き、松浦拓弥がダイレクトで突き刺した。

 仙台もあきらめない。89分という土壇場で、右CKからこぼれたボールをフォギーニョが思い切り右足を振ってバーに当てながらたたき込んだ。これで2-3と追い上げるのだが、ここまで。アウェーの横浜FCがなんとか逃げ切って、2位に浮上した。

 首位のアルビレックス新潟は、ホームにブラウブリッツ秋田を迎えた。前回対戦では相手の術中にはめられる形で敗れただけに、ホームでのリベンジを期して戦った。15分にはCKの流れから松田詠太郎が決めて、幸先よく先制。しかし追加点が奪えず、後半は秋田に押し込まれて苦しい時間が続いた。90分にシマブク・カズヨシ、90+2分に伊藤涼太郎と交代選手が続けざまにゴールを奪い、最後はなんとか3-0で逃げ切り。ホーム10連勝というクラブ記録を達成して、がっちり首位をキープしてみせた。

 この3強を追い上げるのが、ファジアーノ岡山だ。最下位のFC琉球との戦いは劇的な幕切れだった。0-0のまま進んだ90+3分、右からのクロスを柳育崇がヘッド、右に流れたボールに宮崎幾笑が左足で押し込み、相手に当たりながらもゴールに転がり込む決勝ゴール。勝ち点3をもぎ取って、3位の仙台とは勝ち点5差までにじり寄ってきた。

 監督交代に踏み切ったV・ファーレン長崎が、続く5位。原田武男U-18監督監督が暫定的に指揮を執る試合で、11分と早々に植中朝日が先制する。29分にも相手のミスも絡んでエジガル・ジュニオが追加点。順当に試合を運んだが、54分に江川湧清が一発退場。1人少ない中でなんとか2点を守って逃げ切り、3連勝とした。また、プレーオフ圏内に再浮上してきたのがFC町田ゼルビア。今節最後に行われた試合でツエーゲン金沢をアディショナルタイムに太田修介がこの日自身2点目を決めて、3-2で勝ち点3をものにして6位に入った。

岡山が宮崎幾笑の劇的なAT弾で琉球に勝って3連勝(写真◎J.LEAGUE)

長崎は監督交代に踏み切ったが、原田武男暫定監督の下で勝利をもぎ取った(写真◎J.LEAGUE)

J2第22節の結果

■6月18日
千葉 1-1 大宮
得点:(千)櫻川ソロモン(大)新里亮

岩手 1-0 徳島
得点:(岩)小松駿太

仙台 2-3 横浜FC
得点:(仙)中山仁斗、フォギーニョ(横)サウロ・ミネイロ、小川航基、松浦拓弥

栃木 1-1 大分
得点:(栃)根本凌(大)羽田健人

東京V 3-0 山口
得点:(東)佐藤凌我2、小池純輝

熊本 0-0 水戸

山形 0-1 甲府
得点:(甲)長谷川元希

岡山 1-0 琉球
得点:(岡)宮崎幾笑

長崎 2-0 群馬
得点:(長)植中朝日、エジガル・ジュニオ

■6月19日
新潟 3-0 秋田
得点:(新)松田詠太郎、シマブク・カズヨシ、伊藤涼太郎

町田 3-2 金沢
得点:(町)太田修介2、ドゥドゥ(金)豊田陽平、大石竜平