2・3月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』は、7試合で6ゴールを記録し、文句なしの活躍を見せた横浜FCのFW小川航基が受賞した。『DAZN Jリーグ推進員会』では月間表彰者をインタビュー。サッカーマガジンWEBでは、J2で最も輝いたストライカーに迫った。好調の理由について、そして「これから」について受賞者にじっくり話を聞いた。

最初は「シャドーか…」でも次第に手応え

0-2から逆転し、3-2で勝利を飾った水戸戦。小川は2得点で勝利に貢献した(写真◎J.LEAGUE)

――開幕前、現在のように得点を量産できる予感はありましたか。

小川 キャンプのときにチームのコンセプト、求めるスタイルが攻撃的で、前の選手は得点チャンスが増えるとは感じていました。キャンプで初めてシャドーをやったんですけど、僕はプロでシャドーをやるのが初めてだったので正直、「シャドーか…」と思い、(四方田修平)監督にも「一番前がやりたい」と話しをさせてもらったくらいでした。でも、取り組んでいくうちにいわゆるテクニックタイプのシャドーじゃなくて、ストライカー・シャドーみたいな感じでもいいんじゃないかと思うようになりました。意外にシャドーにもチャンスが回ってくることも知りました。キャンプ中に僕が出た練習試合は、すべて点を決めたと思います。そこで手応えは感じていました。

――そして開幕戦でゴールを決めます。

小川 へなちょこゴールでしたけど(笑)、最初に取れたのは大きかったですね。キャンプでやってきたことの確認ができたので。

――一番前で相手を背負ってポスト役を務めるのと異なり、シャドーのポジションだと、ゴールに対して前を向いてボールを受けるケースが増える印象です。そのことも大きいでしょうか。

小川 そうですね。僕自身、シュート精度というか、シュートが自分の強みだと思っています。でも、そのことはあまり知られていないと思っています。それはなぜかと言えば、これまでは自分がシュートに持ち込むところまで行けていなかったからです。仮にチャンスが来たとしても力んでしまったり、自分のシュート力を生かせていなかった。良い形でシュートできればゴールできるという思いが自分の中にあります。それが今はできている。良い形で前を向けたり、僕のところにボールが転がってきたり。これだけチャンスが回ってくれば、これぐらい決めて当然だと思いますし、もっと決められる場面があったので、さらに精度を上げていきたいですね。

――1トップ+2シャドーのトライアングルの関係性も試合のたびに深まっている印象を受けます。

小川 監督は(北海道コンサドーレ)札幌のスタイルをある面で継承していますが、ミーティングでも感じるのは、やることがはっきりしているということです。どういう動きをしたらいいのかが選手からすれば分かりやすいですし、逆にその動きができなければ、試合で使ってもらえない。キャンプの時から監督は、求める動きについて分かりやすく説明してくれました。正直に言えば僕自身は、シャドーの位置に落ちてボールを受けるプレーはそこまで得意ではないですけど、そこに顔を出すことで他の場所でスペースが空くというのもあるし、いま試合に出ている前の選手はみんながその点を理解してやれている。誰がどの位置に入ってもできるようになってきていると思います。

――2月・3月の印象深い試合の一つとして長崎戦を挙げられましたが、1ー0で勝利をしたその試合で齋藤功佑選手の決勝ゴールをお膳立てしたのが小川選手でした。手塚康平選手の左からのクロスをヘッドで優しく落としています。今季はプレーの幅も広がっているように感じます。

小川 僕はけっこうアシストするのが苦手というか、アシストがつかないんですよ。それはこれまで『自分が自分が』となっていたことが一つ、もう一つはゴール前で冷静になれないことに原因があったと思っています。良いFWというのは、仮に13点を取っていたら7アシストしているとか、アシストの数字も付いてくる。でも僕自身は9点を取ったしてもアシストは1とか2とか。それが本当に良い選手なのかというと、やっぱりそうは言えない。だからアシストも意識しないといけないという思いがずっとあります。今シーズンもアシストが多いわけではないですが、この間の試合の(伊藤)翔さんへのスルーしたりところだったりとか(第8節・FC琉球戦の2点目)、味方のゴールに関わる部分を増やして、アシストの数も増やしたいと思います。

――小川選手にとって良いストライカーとは?

小川 ストライカーにも色々なタイプがいると思いますけど、数字を残せるストライカーがやっぱり一番なんじゃないですか。守備への貢献も、アシストも、ポストプレーももちろん必要ですけど、得点が一番の貢献になるはずですし、数字を残せるストライカーが良いストライカーだと思っています。

――そこに近づいているという感覚は?

小川 得点を取ることが自分の一番の強みだと思っているので、それを今シーズンはずっと継続して、結果を出し続けられたらと思います。

――今シーズン、目標に置いている数字はありますか。

小川 今までジュビロ時代もそうですけど、ずっと口に出していたんですけど、今年は言葉にすることもなく、取れるだけ取ろうという感じでいます。1点決めて満足、2点決めて満足するのではなくて、どんどんチャンスがある限り取りにいきたいです。