11月4日、明治安田生命J2リーグは第31節が開催され、アビスパ福岡は水戸ホーリーホックと敵地ケーズデンキスタジアム水戸で対戦。決勝ゴールが生まれたのは、前半開始早々の5分。輪湖直樹のクロスに頭で合わせたのは、右サイドハーフの増山朝陽だった。

上写真=決勝ゴールを挙げた増山朝陽(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月4日 J2リーグ第31節(@Ksスタ:観衆1,737人)
水戸 0-1 福岡
得点:(水)なし
   (福)増山朝陽

「このアビスパで優勝できるように」

 前節は磐田に敗れ、2位に転落した福岡。首位の座を徳島に明け渡し、3位長崎にも勝ち点差を縮められた。そのため、中2日で迎えるアウェー水戸戦で連敗することはできない。必勝態勢で臨んだ一戦で、試合開始早々に大きな先制ゴールを得た。

 前半5分、中央の石津大介から左サイドの輪湖直樹へボールが渡る。輪湖は左足でゴール前へクロス。頭で飛び込んだのは、右サイドハーフの増山朝陽だった。

「うまくサイドに(ボールを)展開できて、輪湖さんが良いボールを(ゴール前に)くれました。とにかく、自分のところに来い、来い、来いと思って、飛び込んだところにしっかりボールが来ました。あとは、相手より頭一つ先に(ボールに)触れたので、ゴールに入って良かったです」

 渾身のヘディングシュートは相手GKのニアサイドを抜いてゴールネットを揺らした。増山にとっては第21節群馬戦以来となる今季4点目。「前半は(失点)ゼロに抑えたら勝てる。早いうちに点を取れたら、なお良いので、早めの得点というのは意識していました」と、狙い通りの展開に持ち込むことができた。そして、1-0でタイムアップ。増山のゴールが決勝点となり、アウェーで勝ち点3を獲得した。

 今節では首位徳島も、3位長崎も勝利したため、上位3チームの勝ち点差は変わらず、順位の変動もなかった。残り11試合。J1昇格争いは、これからますます佳境に入る。

「前節負けてしまって、記録(1シーズンにおけるクラブ最長15戦無敗)は途切れてしまったけれど、アビスパに来て自分が経験したことのないような記録に携わることもできました。優勝もまだ味わったことがないので、自分自身がピッチに立って、このアビスパで優勝できるように、一つひとつしっかりと戦っていけたらいいです」

 今季、神戸から期限付き移籍で加入した増山は、生まれ育った地元のクラブをJ1に導くために、さらなる活躍を志す。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE