9月6日、明治安田生命J2リーグは第17節が開催され、栃木SCは水戸ホーリーホックとケーズデンキスタジアム水戸で対戦。前半に水戸ホーリーホックのアレフ・ピットブルに先制点を許すも、後半に田代雅也と柳育崇がゴールを挙げ、逆転で北関東ダービーを制した。

上写真=後半アディショナルタイムに逆転ゴールを挙げた柳育崇らが歓喜(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月6日 J2リーグ第17節(@Ksスタ:観衆2,001人)
水戸 1-2 栃木
得点:(水)アレフ・ピットブル
   (栃)田代雅也、柳育崇

・水戸メンバー◎GK牲川歩見、DF前嶋洋太、住吉ジェラニレショーン(46分:三國スティビアエブス)、細川淳矢、乾貴哉、MF森勇人(73分:松崎快)、安東輝、山田康太(86分:木村祐志)、奥田晃也、FW山谷侑士(67分:山口一真)、アレフ・ピットブル(73分:中山仁斗)

・栃木メンバー◎GKオビ・パウエルオビンナ、DF黒崎隼人、高杉亮太、田代雅也、瀬川和樹、MF大島康樹(90+1分:柳育崇)、岩間雄大(62分:西谷優希)、佐藤祥、山本廉(70分:有馬幸太郎)、FW森俊貴、明本考浩

2014年以来の北関東ダービー勝利

 水戸と栃木による『北関東ダービー』は序盤から激しい攻防が繰り広げられた。特に中盤ではボールを奪い合う肉弾戦が繰り広げられるなど、両者の意地とプライドがぶつかり合った。

 そんな中、栃木は水戸に先制ゴールを奪われる。前半20分、DFの連係ミスをFWアレフ・ピットブルに突かれてボールを奪われると、ゴール前まで持ち込まれてシュートを打たれた。ボールは栃木のGKオビ・パウエルオビンナが右手で触れるも、弾き切れずゴールネットに吸い込まれた。

 後半、まずは同点に追いつきたい栃木は攻勢を強め、チャンスを作り出す。DF高杉亮太やMF岩間雄大が果敢にシュートを放ち、ゴールを狙った。しかし、水戸のGK牲川歩見の好守に遭ったり、枠をとらえることができなかったりして、得点を挙げることができない。

 ただ、後半22分についに栃木がゴールをこじ開ける。DF黒崎隼人のクロスをゴール前のDF田代雅也が左足で押し込み、同点に追いついた。

 そして、ドラマは後半アディショナルタイムに訪れた。数分前に投入されたばかりの柳育崇が瀬川和樹のクロスボールにヘディングシュート。ボールはゴールネットを揺らし、逆転ゴールが決まる。ケーズデンキスタジアム水戸は静寂が包んだ。そして、試合終了の瞬間を迎えた。

「2014年以来、栃木が水戸に勝てていなかったことも踏まえて、この勝利をサポーターや、いつも支えてもらっているスポンサーに届けられました。今日は選手がタフな条件の中、最後まで走ってくれたし、特に後半はギアが上がって、完全に押し込んだ状況を作ってくれました。その中で、最後に良い形で逆転することができた。選手が一丸となって戦ってくれたからだと思っています。ダービーということで、本当はサポーターにも(ケーズデンキスタジアム水戸に)来て、応援してもらいたかったけれど、良い勝利を届けられました」

 アウェーの地で劇的な勝利を収めた栃木の田坂和昭監督は、そのように試合を振り返った。前節の北九州戦では2点差を追いつかれてドローに終わり、勝ち点2を失った形となったが、今節ではそれを帳消しにするかのような大きな勝ち点3を手に入れた。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE