Jリーグの再開が決定し、活動休止中だった多くのチームがトレーニングを開始した。このコーナーではリスタートするリーグの注目株に迫る。第1回は大宮アルディージャの若きドリブラー、奥抜侃志選手のインタビューをお届けする。

メッシの映像ばかり見てきた

取材は5月末にZOOMで行なった(写真◎UDN SPORTS)

ーーサッカーの映像を見ることもありましたか。

奥抜 ボールを蹴る前には、必ずと言っていいほどリオネル・メッシ(バルセロナ=スペイン)のプレー集を見ていました。あれを目にすると、気持ちがやる気がみなぎってくるんです。

ーーとくにメッシのプレーのどの部分を参考に?

奥抜 狭いスペースのなかでも、細かいタッチで抜けていくドリブルですね。今に始まったことではなく、小さい頃からずっと見ています。むしろ、メッシのプレー集しか見てこなかったくらい。

ーー影響を受けているところも…。

奥抜 もちろん、あります。映像を見るたびにドリブルのボールタッチはマネして練習していますから。あと、意識して見ているのはボールの置きどころ。すぐに触れる位置に置いておくのがミソなんです。

ーー奥抜選手の武器がドリブルであるのは昨シーズン、多くのファン・サポーターに認識されたと思います。ドリブラーとして快感を覚える瞬間とはどんなときですか。

奥抜 ボディフェイントで、相手の逆を取ったときですね。あの一瞬は、すごく気持ちがいい。僕はシザースなどはあまり使わないので、相手を抜くときはタッチで変化をつけるんです。タイミングをずらすことは意識していますから。

ーー子どもの頃から見てきたとのことですが、プロになったからこそ分かるメッシのすごさもありますか。

奥抜 シュート技術です。幼い頃はドリブルしか見ていませんでしたが、いまはチャンスで決めきる得点力がすごいと思います。

ーードリブラーの奥抜選手も、今季はそのゴールがより求められている部分もあるのでは?

奥抜 ゴールとアシストは、チーム最多の数字を残したいと思っています。今季、それくらいの意気込みを持って臨んでいるので。

ーー昨季は5ゴールでした。当然、目標はそれ以上の数字ということになりますね。

奥抜 最低でも二ケタ以上。ゴール、アシストで計20以上を狙っています。

ーー今季、ゴールを増やすために取り組んでいることはありますか。

奥抜 特別なことはしていませんが、地道にシュート練習を重ねています。どのようなシチュエーションでも決められるように取り組んでいます。昨季のプレーを見返すと、チャンスをしっかり生かしていれば、二ケタは取れました。

ーー昨季、プロ2年目でブレイクし、初めて5ゴールという結果を残しましたが、満足はしていないと。

奥抜 そうですね。僕が決定機で決め切れていれば、J2で優勝できたと思っています。今季は優勝してJ1に昇格したいです。昨季以上に最終ラインからパスをつなぐ意識が強くなっていますし、僕の動き次第ではいいボールは多く入ってくると思います。足元にパスが入ってきたときのプレーには自信があるので、持ち味をどんどん出していきたいです。