ミヒャエル・スキッベ新監督のもと、明治安田J1百年構想リーグWESTとACLEを戦うヴィッセル神戸において、存在感を高めつつあるのが小松蓮だ。『J1初ゴール』を記録したFWは「より多くのゴールを挙げたい」と強い思いを持ってピッチに立っている。

FWである以上、得点は一番重要な仕事

プレーするたびに存在感を増している小松蓮。ゴール量産の準備はできている(写真◎J.LEAGUE)

 その決意のもとでようやくこじ開けた、福岡戦でのJ1ファーストゴール。今シーズン初先発となった第2節、V・ファーレン長崎戦では6本ものシュートを放つなど、自分に対して得点の気配を感じられていたことも、そのプレーを後押ししていたのかもしれない。

「6本も打ったのであれば、せめて1本は決めなくちゃいけなかったし、悔しさはありましたけど、これまでFWとして長い間プレーしてきて、こういう(点を取れない)時期というのは死ぬほどたくさんあったので。もちろん、焦りもするし、不安にもなりますけど、それはありながらも結局、やり続けるしかないという状況には慣れていたというか。できればそうはなりたくないし、そういう自分は嫌で仕方がないんですけど(笑)、秋田時代も、松本山雅FC時代も、1つ取れれば、そのあとはスムーズに得点がついてきたという経験をしてきたからこそ、ヴィッセルでもとにかく1つ目を早く、と思っていました」

 思えば、福岡戦の少し前、得点について話を聞いた際に「取りたい」という願望ではなく「取ります」と言い切っていたのも印象に残っている。そのことについて尋ねると、自分に暗示をかけていたと笑った。

「『取りたい』という言葉には、取れないかもしれないという可能性も浮かんでしまうので、『取ります』と決定事項のように自分に言い聞かせていました」

 もっとも、最初の一歩を踏み出したとはいえ『1』では満足していない。福岡戦も相手が退場者を出し、31分以降は数的優位での戦いになったこともあって「2点目、3点目を取らなければいけなかった」と小松。また、ミヒャエル・スキッベ監督が重視している『個性』もまだまだ表現しなければいけないと気を引き締める。

「スキッベ監督からは昨年までのようなチームとして決められた1トップのタスクを全うするというより『自分の特徴を出してほしい』と強調されているし、長崎戦の後も『パワフルにプレーしているのは素晴らしいし、(長崎戦で)ゴールは取れなかったけど気にせずどんどんシュートを打っていけ。その姿勢が必ずいつか得点に結びつく』と言ってもらっていました。それもあって、今はとにかく自分の特徴をいかに表現できるかを考えながらプレーしています。もちろん1トップを預かる上では『起点』としての精度はもっと高めなければいけないし、それを90分を通してできる選手になるためのトライは続けないといけないと思っています。

でも、FWである以上、やっぱり点を取ることが一番重要な仕事だと思うので。引き続き、そこにこだわって、試合の中でも1点取れればOKではなく、2点、3点と取っていけるようになりたいし、当たり前のように得点を量産できる選手になっていきたいと思っています」

 長崎戦後に行われた、直近のAFCチャンピオンズリーグ・エリート2025/26ラウンド16第1戦・FCソウル戦では
ケガで離脱していたチームの絶対的エースで、小松にとっては大きなライバルでもある大迫勇也が戦列に復帰。その事実もいい刺激に変えて、小松蓮は再び、ゴールを目指す。

取材・文◎高村美砂[フリーランスライター]