CBとして「しっかりやりたいではなく、やらなくちゃいけない」
2025年シーズンは最終ラインの要としてJ1リーグ戦34試合に出場した(写真◎J.LEAGUE)
また、福岡が在籍した22年以降、彼が主戦場とするCBには、昌子源(FC町田ゼルビア)やキム・ギョンウォン、三浦弦太、中谷進之介、佐々木翔悟ら、代表経験のあるライバルたちが顔を揃えてきた中で、着実に試合経験を積み上げられてきた事実も自信につながっているという。
「徳島ヴォルティス時代に一緒に仕事をさせてもらったダニと再びガンバで仕事ができたのも大きかったですが、僕がこのガンバで一番影響を受けたのはシン(中谷)の存在です。一昨年の最終戦では、僕がJ1リーグ100試合、シンが300試合出場のセレモニーをしていただいたんですけど、同い歳でありながらその数字の差を突きつけられて素直に『すげぇな!』って思ったし、一緒に仕事をする中では、彼がそこに辿り着けた理由みたいなものもたくさん感じ取ってきました。中でも、印象に残っているのが24年です。その前年、僕らはすごく失点が多くて……(注◎リーグワーストタイの61失点)。僕のミスでやられたこともあって、DFとしてその失点数にはすごく責任を感じていたんです。
だからこそ、24年は『安定』を意識して臨んだ自分がいました。その中で、シンの隣でプレーすることも増えたんですけど、一番驚いたのがシンの『対応力』でした。監督が意図すること、求められることを汲んでプレーを適応させていく力というのかな。そこが早くて的確だから、(前所属の)名古屋グランパスでも必要とされ続けてきたんだな、と感じたし、その姿からたくさんの刺激、学びももらった。例えば、センターバックである以上、守備でしっかり存在感を示さなきゃいけないと思わせてもらったのも1つです。
当たり前のことではあるんですけど、それこそ以前の僕はビルドアップや攻撃的なプレーが好きなのもあって、それを示すことが自分らしさだと思っていたんです。でも24年にシンのプレーを体感して、いやいや、まずは守備があっての攻撃だ、と。そこを自分の中で整理できるようになったら、自然と守備での『安定』も見出せるようになった。あとは、シンを含め、毎年素晴らしいライバルの存在を近くに感じていたことも大きな刺激にしてきました。実際、試合に出続けているときも、安心したことは一度もなく、いつも自分に『いつ(ポジションを)奪われるかわからないぞ』とプレッシャーをかけていました。その競争に身を置けたことも近年の出場数に繋がっている部分だと思っています。ただ、まだまだ足りない。昨年はまた失点数が増えてしまって、安定とはほど遠いシーズンになってしまった反省からも、もっとやらなくちゃいけないし、もっと成長しなくちゃいけない。今年はイェンスが就任してまた1からの競争になることを考えても、練習からしっかりアピールを続けます」
今シーズンの戦いにおいて、CBとして大きく意識しているのは2つ。冒頭の福岡の言葉にもあった、広くなったプレーエリアをカバーするべく縦横のこまめなスライドを徹底することと、最終ラインも含めチームとして『前へ』の意識を持つことだ。
「イェンスもダニと同じくボールを繋ぐことを大事にする監督ですが、前線からのプレッシングからより高い位置でボールを奪い、前へ、ということはより強調されている部分。実際、僕らセンターバックのところでボールを受けても横ではなく、前にということは強調されています。あとはさっきも言ったプレーエリアが広くなる中での、より的確な予測や裏への対応ですね。そこは自分の良さともリンクする部分でもあるし、今の時期、これだけ走って、体を作っているのもそのためなので。しっかりやりたい、ではなく、やらなくちゃいけないと思っています」