上写真=沖縄でキャンプ中のFC東京、稲村隼翔を直撃した(写真◎佐藤景)
もっとレベルアップしないと生き残れない
ーーキャンプでは連日取材を受けている姿を目にします。しかもいつも笑顔。
稲村 まあ、嫌いじゃないです(笑)。こういうのがあってサッカーが盛り上がると思うので。
ーー性格的に目立つことを厭わないタイプですか。それとも自分を通してサッカーを広めたいというような考えが?
稲村 自分が子どもの時、そういう選手を見て、やっぱりサッカー選手ってかっこいいなと思っていたし、実際にプロに入ってから(アルビレックス新潟時代)自分は千葉和彦さんだったり、舞行龍ジェームズさんとプレーできていたので。あの2人は本当に取材やメディア対応を大事にしていたし、あの2人のおかげで僕もそういう考えになったと思います。
ーー子供の頃から明るい性格だったのですか。
稲村 どうですかね。明るくはあったと思いますけど、目立ちたいとかはなかったですね。
ーーチームに入ってまだ間もないが、周囲からいじられたり、人が集まってくるキャラクターの持ち主に見えますが。
稲村 元々はトゲのある人間だったので、多分嫌われていたこともあったと思いますけど、これまでに出会った先輩たちがみんな良い人たちというか、そういう選手たちばっかりだったので、自然とそうなってるのかな、と(笑)。
ーーことサッカーとなれば、先輩後輩関係なく、辛辣なことも言えるのですか。厳しい要求も?
稲村 言わないといけないことは言うようにしていますね。
ーー15日には名古屋グランパス戦がありました(30分✕3本。FC東京1−2名古屋)。初の対外試合でしたが、色々感じた点もあったと思います。
稲村 新しいシーズンの1試合目という感じの試合でした。お互いに見合ったというか、やりたいことをやろうという感じのゲームだった。そこまで大きな展開があったわけではないですが、個人としては試合勘を取り戻すところにテーマを置いていて、チームとしてもリキさん(松橋力蔵監督)のやりたいことを全員がしっかり実践しようとしていたので、それはすごくポジティブだったと思います。
ーーその上でチームと個人の評価を聞かせてください。
稲村 チームとしても個人としてもですが、やっぱりもっとコミュニケーションを取っていくことを意識したいと思いました。リキさんはよく繋がりという言葉を練習で使うのですが、それはポジショニングの繋がりもそうですし、選手間の繋がりもそう。色々な意味で言っていると思うので、そこはもっと積極的にトライしていきたいと思います。
あとは試合勘のところで、自分のパスの感覚やアイディアがなかなか出づらくなってきていると感じた部分があって、早く感覚を取り戻していかないといけないと思いました。
ーー名古屋戦直後もチームメイトと話している姿が見られました。感じたことをすぐに口にして確認しよういうことだったのでしょうか。
稲村 わからないところは聞きますし、僕からも答えますし。新加入選手として加わっているので、チームのやり方に適応していかないといけない立場。そういった意味ではまだまだ足りていないと思いますし、そういうコミュニケーションももっとチームで取ったほうがいいという話も聞いていたので。新潟から来た橋本健人もコミュニケーションを取れる選手ですし、そういう選手たちが積極的に輪を広げていくことで、さらに強いチームになれると改めて思った名古屋戦でした。
ーープレー面では、開幕に向けてさらに磨いていきたい部分を確認できましたか。
稲村 個人としては、やっぱり守備のところではまだまだだなと感じました。去年、新潟でプレーしていたときも自分は「レベルが低いな」というのは感じていましたし、海外に行ってもそれをより感じたので。その部分はもっとレベルアップしないといけないし、レベルアップしないと。攻撃の面でも、(アレクサンダー・)ショルツさんと組んでみて、初めて自分より運べる選手というか。そういうところで、ちょっと違和感も感じました。そこは悔しい気持ちもありながら、自分自身が全体的にレベルを上げないと、このチームじゃ生き残れないと思いました。
ーーこれまでは自分がボールを最終ラインから持ち出すケースが多かったと?
稲村 はい。なのでそこはちょっと想像していた以上だったというか。もちろん自分とはタイプが違うとは思っていたんですけど。名古屋のやり方的に相手のFWの一人が自分の方にいたのもあるのですが、これまでの経験上、自分が上がらず、もう一方の方が上がって、片方のサイドから攻めていくというケースは自分がプレーする中でなかったので、そういう意味で新鮮な違和感がありましたね。自分主導と言ったら、ちょっと言い方が強いかもしれないですけど、本当に良い刺激を受けています。
ーーショルツ選手もそうですが、FC東京には長友佑都選手だったり、森重真人選手だったり、Jリーグを代表するような経験豊富な選手もいます。
稲村 そういう選手たちがいるから東京に行こうと思いましたし、プレーを見ても本当にに細かいところまでうまいです。守備の面ではタイトにいけますし、学べるところばかりです。何より、そういう経験ある選手が一番、ギラついている。試合に出るために日々、取り組んでいる感がひしひしと伝わってくるので、ますます気が抜けません。20歳近く離れているのに、すごいし、心から尊敬しますし、やる気になります。