Jリーグ30周年となる2023シーズンがいよいよ開幕する。サッカーマガジンWEBでは、開幕特集として「2023年に注目すべき23人」を紹介していく。柏レイソルからは、若きエースの細谷真大だ。パリ・オリンピック世代の主軸でもある新進気鋭のオールラウンド・ストライカーは、昨季の「ダブルスコア」を宣言する。(18人目/23人)

角度を作ってから狙う

2023年のスタートはホームにガンバ大阪を迎える(写真◎サッカーマガジンWEB)

−−ところで、ものすごく上半身が大きくなったように見えます。首も太くなって。

細谷 いや、あんまり変わらないんですよ。みんなによく言われるんですけどね(笑)。

−−とはいえ、体を強くする作業はオフからキャンプにかけて行ってきたと思うんです。ちばぎんカップでも体の強さは随所に見られました。

細谷 上半身だけ特別に鍛えたわけではないですけど、少しはフィジカルもついたかなと思います。プレーの中でそういう実感もありますし。

−−もちろん、強さという点では昨年も見せていましたね。多くのメディアやファンに称賛されてきましたが、3月20日の第5節、アウェーの名古屋グランパス戦で決めたゴールは圧巻でした。中谷進之介選手をスピードで振り切って左に出て、左足で強烈なシュート、ランゲラック選手の守るゴールのニア上をまさしく打ち抜きました。あの一連のシーンに細谷選手の魅力、強みが凝縮されていましたね。

細谷 自分の持ち味であるスピード、 推進力というところをうまく表現できたシーンだと思います。シュートの場面でもランゲラック選手から決めることができて、自信がついた試合でしたね。

−−ニアの左上角へのコースは狙い通りでしたか。

細谷 いや、ニア方向に打とうとは思っていたんですけど、あそこまでいいコースにいくとは想定していなくて、自分でもちょっとびっくりしました(笑)。

−−その前段階でボールを引き出すアクションでは、相手の背中側をすり抜けることもあれば、目の前を一気にスピードで走り抜けることもあると思います。その駆け引きの感覚も成長している実感があるのではないですか。

細谷 去年の後半は相手のマークのつき方がちょっと変わってきたりもしていたんです。警戒される中で外していくところはちょっと苦戦はしたんですけど、今年はそこをより意識しながら勝負したいですね。

−−昨年は名古屋戦のゴールの他にも、推進力で前に出て少しゴール方向から外れるように進んで角度を作ってから、ニアやファーに打ち分けるシーンが多かった印象です。

細谷 そうですね。抜け出して少しキーパーとの角度を作ってから狙うのは、得意にしているかもしれないです。そういうときは、シュートは感覚で打っていると思います。自分の中で、ここに打てば入るというイメージはあるので。あとは、角度をつければキーパーの重心は必ずどちらかに動きますから、その逆を狙うようにもしています。

−−そんな得意なフィニッシュについては、精度を高めるためのトレーニングを重ねてきたと思います。

細谷 クロスに対するゴール前での入り方や、しっかり流し込むシュートはキャンプからずっと取り組んできました。練習試合でも点は取れていたので、いい流れで来てはいるのかなと思います。