Jリーグ30周年となる2023シーズンがいよいよ開幕する。サッカーマガジンWEBでは、開幕特集として「2023年に注目すべき23人」を紹介していく。柏レイソルからは、若きエースの細谷真大だ。パリ・オリンピック世代の主軸でもある新進気鋭のオールラウンド・ストライカーは、昨季の「ダブルスコア」を宣言する。(18人目/23人)

上写真=細谷真大はテクニシャンが揃った今季の柏の攻撃スタッフへの大きな手応えを口にする(写真◎サッカーマガジンWEB)

取材◎サッカーマガジンWEB

納得できないキャリアハイ

−−いよいよ2023年のJ1が開幕します。ガンバ大阪をホームに迎える一戦でスタートします。

細谷真大 開幕戦ということで緊張感もあると思いますけど、全員がいい準備をしてきているので、素晴らしい試合ができると思っています。

−−その準備の一つである2月12日の「ちばぎんカップ」では、ジェフユナイテッド千葉に2-3で敗れはしたものの、2ゴールどちらにも絡んでいます。最初は自らの鋭いシュートのこぼれ球を山田康太選手が押し込んで、2点目は今度は山田選手のクロスをヘッドで豪快にたたいて決めました。

細谷 個人としてはまだまだこれから、という部分はありますけど、点は取れたのでまずまず良かった、という感じですね。

−−1点目については、小屋松知哉選手の左からのマイナスのパスを倒れ込みながらも左足で振り抜きました。ゴールライン上に戻ってきた相手にクリアされてしまいますが、山田選手がプッシュした。でも、自分のシュートが入ったと思ったんじゃないですか。

細谷 そうなんです。もう感覚的には入ったと思ったんですけど、ブロックされてしまって。でも、決めてくれてよかったなって。

−−やや下がりながら、腰を鋭く回転させて放った力強いシュートから、コンディションの良さがうかがえました。

細谷 普通のボールよりも少しマイナスに来たほうが、体に無理が利くのもあって得意だなって自分でも感じているんです。

−−続けて自らが決めたチーム2点目は、今度は山田選手の「お返し」のアシストでした。右からのぴったりのクロスでしたが、細谷選手が中央で駆け引きしてマークを完全に外したアクションが光りました。一歩、ニアに入るふりをして相手を動かしておいてスペースを作り、自分はその場にとどまってその空間にボールを呼び込みました。

細谷 そういう駆け引きのところで上達している実感もありますし、自分は背があまり高いほうではないので(177センチ)、クロスからのボールに対して意識してマークを外すようにしています。あのシーンではうまくはがせて点につながりましたね。

−−シュートも強烈でした。ヘッドでたたいてキーパーに思い切りぶつける格好になりましたね。

細谷 ゴールとの距離が近かったので、まずは動き出しで外そうということに集中していたんです。だから、シュートの狙い場所はあまり決めてはいなくて。

−−それでも決め切ったのはさすがですが、2023年のアピールポイントに「決定力」を挙げていました。理由は、昨年の反省点だから、と話していましたね。

細谷 去年はチャンスが数多くある中で得点を重ねることができなくて、だからまず今年はそのチャンスをものにすること、しっかり決定力をつけるというところをアピールポイントにして、戦っていきたいと思うんです。

−−2022年は33試合に出場して8ゴール。キャリアハイですが、物足りなかったということですね。

細谷 納得はできていないですね。やっぱり、2桁はいきたかったです。それに、あれだけのチャンスがあったから、決めていれば10ゴールは間違いなく超えていました。チャンスの数に比べれば本当にゴールが少なかったです。

−−2023年はその数字をどれだけ伸ばしていきましょうか。

細谷 得点ということに対しては、去年の倍以上と設定しています。