「1点、もしくは2点を取りたい」
――アンカーでプレーすることがベースの椎橋選手ですが、この京都戦はJ1デビューとなった土屋巧選手がアンカーで、椎橋選手がその前のインサイドハーフという関係でした。
椎橋 ミスしてもいいから怖がらず受けろ、と土屋には伝えていて、ハーフタイムにも話をして、後半は彼も落ち着いてプレーできていましたね。僕も先輩に声をかけてもらったので、今度は自分がそういう立場になって声をかけてあげようと思いました。
――インサイドハーフでは、またアンカーとは違う景色を見ることができたのではないでしょうか。
椎橋 京都はアグレッシブなチームなので、インサイドハーフとして中間で受けたり、前から守備をはめる強度を要求されていました。序盤の失点で少し難しくなりましたが、最後はポジションもアンカーに戻って逆転できてよかったです。
――アンカーとインサイドハーフ、それぞれのやりがいがあると思いますが、インサイドハーフの感触はいかがでしたか。
椎橋 気持ちの上では、前でプレーするほうが積極的にできるかなという感じはします。自分の後ろにアンカーがいてくれるので、もし失っても戻れば大丈夫だと感じます。アンカーでは自分が取られたらすぐにピンチになるので、安全なプレーを選ぶ必要がある場面も出てきます。インサイドハーフで積極的にできたのは楽しかったですよ。
――そんな試合で決めた今回のベストアシストに続いて、次はゴール、といきたいですね。
椎橋 ペナルティーエリア周辺から狙っていく意識はずっとありますし、ホームの神戸戦(6月18日・第17節)でミドルシュートを決めたことは自信になっています。残り試合も少なくなってきましたけれど、1点、もしくは2点を取りたいと思っています。
――京都戦の時点では4連勝で暫定2位でした。そこから少し足踏みしてはいるものの、まだまだ上位をうかがう位置にいます。
椎橋 まだ上に行けるチャンスはありますから、週に一度の試合で目の前の相手に勝つだけです。それが自然に結果につながると思いますから、勝ち点を一つひとつ積み上げていきます。
――最後に改めて、8月の月間ベストアシストに選ばれたあの一本のパスは、自身のキャリアの中でもどのぐらいのレベルのものでしたか。
椎橋 いまでも一連のプレーを鮮明に覚えているぐらいですから、レベルはかなり高いと思いますよ。
――それを超えるアシスト、そしてゴールを期待しています!
取材・構成◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE/柏レイソル
※本文中の数字はすべて9月8日時点
Profile◎しいはし・けいや/1997年6月20日生まれ、千葉県船橋市出身。名門・市立船橋高校出身で、2016年にベガルタ仙台に加入してプロキャリアをスタートさせた。ハードなボール奪取を最大の武器として2年目から徐々に出場機会を増やし、2020年にはシーズン33試合出場を果たしてチームの主軸になった。21年に柏レイソルに完全移籍。ここでも30試合でプレーして、チームのディフェンスに欠かせない存在になっている。今季ももちろんアンカーとして試合に出続けて、好調のチームを支えている。178cm、70kg。