アカデミー時代から鹿島アントラーズに在籍し続ける土居聖真は今年で30歳となり、今季のキャプテンを務める。若いチームを牽引し、2016シーズン以来のリーグタイトル奪還を目指す。7月30日は、Jリーグ開幕時から続く『The Classic』と銘打たれた明治安田生命J1リーグ第23節横浜F・マリノス戦。その一戦を前にした土居の思いが明かされる。

上写真=土居聖真はキャプテンとして、2016年シーズン以来のリーグタイトルを狙うチームを牽引する(写真◎J.LEAGUE)

派手な試合になることが多い

――7月16日のJ1第22節神戸戦まで、天皇杯ラウンド16のG大阪戦を含めて中2日、中3日での5連戦がありました。この5試合をどのように振り返りますか?

土居聖真 夏場の連戦ということできつかったところもありますが、1試合も負けずに終えられたのは良かったことだと思います。ただ、リーグ戦ではもったいない引き分けが続いてしまったことも事実です。神戸戦は退場者を出しながらも1点のビハインドをよく追いついたとは思いますが、その前のC大阪戦(J1第20節)は点の取り合いになり、課題としていた内容の試合を繰り返してしまった感覚があります。C大阪戦のように勝ち切れない試合が今季は何度も続いており、そういったゲーム運びが課題だと捉えています。

――では、この5連戦で見いだした課題を今後にどのように生かしていこうと考えていますか?

土居 勝ち切れない試合が続いている今の状況を、選手個々がどう捉えるかが重要です。「勝てない試合が続いているから次も勝てないのかもしれない」とネガティブになるのか、「負けていないのだから次こそは」とポジティブになるのかとでは、その後のメンタルも大きく変わると思います。だから、なるべくポジティブな気持ちを持って、次の試合に臨むことが大事です。シーズンを通せば悪いことの方が多いですから。次の横浜FM戦に向けては前節から2週間も空くので、その期間でまた気持ちを整理して準備できればと考えています。

――リーグ中断明けに行なわれる横浜FMとの首位攻防戦は、1993年のJリーグ開幕時から唯一続くオリジナル10同士の対戦でもあります。

土居 これまでの対戦を振り返ると、派手な試合になることが多い印象があります。特に僕がプロ選手になってからの対戦ではゴールも多く生まれていると思うし、結果的には一筋縄ではいかないような試合ばかりだったなと。

――今季第8節の対戦では、リーグ戦では10年ぶりとなるカシマスタジアムでの敗北を喫しました。その試合で感じた今季の横浜FMのイメージを教えてください。

土居 やはり横浜FMがここ数年で取り組んできた攻撃サッカーが確立されている印象を受けました。過去を振り返れば、チームのスタイルを変えようとしたタイミングで順位を落としてしまったようなシーズンもあったかと思いますが、それでもチームとしての戦い方を辛抱強く貫き続けた結果が、ここ数年の実績にもつながっているのだろうと考えています。今季第8節で対戦したときは、その攻撃サッカーが成熟し、完成形により近づいていると感じた一戦になりました。

――ただ、土居選手自身は昨季の対戦でハットトリックを達成するなど、横浜FMとの相性がいい印象もあります。

土居 確かに周りの人たちやメディアの皆さんからはよくそのように言われるのですが、僕としては、それはたまたまだと思っています。今季の対戦では、僕はベンチスタートでしたし、昨季は運とタイミングが良かったとしか言えません(笑)。