鹿島アントラーズは25日、1996年から強化担当としてチームを支え、常勝チームを築いてきた鈴木満フットボールダイレクター(FD)が退任し、後任にフットボールグループプロチームマネージャーの吉岡宗重氏が就任すると発表。鈴木氏がクラブの強化アドバイザーに就く予定という。

上写真=退任が決まった鈴木満FD(左)と小泉文明代表取締役社長(写真◎Getty Images)

チームの改革が必要な時期にきている

 前人未到の20冠を達成し、Jリーグの盟主と言われる鹿島アントラーズが変革期を迎えている。クラブ創設当時にコーチやサテライトの監督を務め、96年以降は強化部の一員としてチームの発展に尽力してきた鈴木満フットボールダイレクターが退任することになった。

「ここ5年間の国内タイトル無冠、創設30周年となる今シーズンも不本意な成績で終わり、強化のトップとして果たせなかった責任は大きいと痛感しています。アントラーズが今後も勝利を積み重ねていくためには、築き上げた哲学の継承とともに、チームの改革が必要な時期にきていると思います。タイトル奪取に向けて一丸となって戦い続けていくクラブの応援とサポートを、これからもよろしくお願いします」

 すでにチームは来季に向けて、初めてヨーロッパから指導者を招へい。スイス人のレネ・ヴァイラー監督の就任が決まっており、これまでのブラジル路線から大きく舵を切っている。なお、後任のFDには吉岡宗重氏が就任。大分で強化担当を務めた後、2011年から鹿島の強化スタッフとしてチームの強化を図ってきた。

「来シーズンよりフットボールダイレクターに就任することになりました吉岡宗重です。これまでのアントラーズの伝統と文化を引き継ぎ、クラブミッションである『すべては勝利のために』という使命を果たすべく、献身的に取り組んで参ります」

 哲学の継承と変革。両方のバランスを取りながら来季以降、新しい鹿島アントラーズを築いていくことになる。

■鈴木 満(すずき・みつる)
・生年月日:1957年5月30日
・経歴:鹿島コーチ(92)→鹿島コーチ兼サテライト監督(94-)→鹿島・強化育成課課長(96-)→鹿島・強化部長(00-)→鹿島・取締役強化部長(05-)→鹿島・常務取締役強化部長(10ー)→鹿島・取締役フットボールダイレクター(19-)

■吉岡宗重(よしおか・むねしげ)
・生年月日:1978年4月22日
・経歴:大分・強化部強化担当(06-)→大分・強化部長代理(10-)→鹿島・強化担当(11-)→鹿島・強化部強化担当課長(16-)→鹿島・フットボールグループプロチームマネジャー(19-)