上写真＝準優勝の盾を手にする清武弘嗣に笑顔はない（写真◎小山真司）
■2021年10月30日 JリーグYBCルヴァンカップ決勝（＠埼玉/観衆17,933人）
名古屋 2-0 C大阪
得点者：（名）前田直輝、稲垣 祥
「頭を使ってプレーしないといけない」
やはり、後半開始早々の最初の失点を悔やむほかなかった。なにより、清武弘嗣自身が投入されてすぐのことだったからでもある。
「両チームとも先制点が大事だと思っていましたから、後半開始に取られたのはもったいなかった」
しかも、セットプレーから失ったゴールだったというのがいかにも決勝戦らしい展開ではあった。47分、右からのCKを前田直輝に押し込まれた。
「ふわっと入ったわけではないけれど、前半を見ていてセットプレーが気になっていたんです。お互いに前半は堅い試合になったのでそこがキーになると思っていて、後半入ってすぐに取られたので残念でした」
ルヴァンカップ決勝で、2017年に次ぐタイトル獲得を狙ったセレッソ大阪は、初戴冠を目指す名古屋グランパスの堅守をなかなか崩せない。清武はベンチスタート。
「前半はベンチで見ていて、堅く来ていると思いましたし、奪ってカウンターなのかなという印象は受けました」
その名古屋のディフェンシブな作戦を崩しきれなかった。
「崩すところは工夫しないといけないですね。もう少し全体的にサッカーの質を上げたり、頭を使ってプレーしないといけないと思います」
頭を使う、とは、いつ、どこにポジションを取るか、ということだ。
「一人ひとりがいいポジションを取りながら、幅や深みを取らなければならないし、立ち位置はもっともっと共有しなければいけないと思いました」
小菊昭雄監督がチームを引き継いでからおよそ2カ月。苦しみを乗り越えながらたどり着いたファイナルの場で、79分にも稲垣祥に追加点を許してこのまま試合終了。悔しさばかりが残った。
「準優勝というものはやはり、味わいたくないものだと思います」
華やかな舞台に上がりながら、敗れて大会を終えることの切なさと悔しさ。
「決勝まで来てこういう結果になるのは、サッカー人生でも一番悔しいこと。クラブとしてはこの経験を2度としないために学ばないといけないですし、選手もこの悔しい思いを糧にして成長していきたいと思います。僕自身もそうですし若い選手もそうですし、今日感じた、見た光景を忘れずに成長していければいいと思います」
幸いなことに、ベスト4に進出した天皇杯でまだタイトルの可能性が残っている。
「この悔しい気持ちをリーグと天皇杯にぶつけていきたい。サッカー人生は続くのでこれを糧にして、まだまだ自分自身もチームも上を目指したい」