7月11日の明治安田生命J1リーグ第22節で、サンフレッチェ広島と横浜FCが対戦。立ち上がりにカウンターで先制点を奪った横浜FCが、後半は広島の猛攻に耐えて1点を守り切り、8試合ぶりの今季2勝目を挙げた。

上写真=小川(左から2番目)の先制点を守り切った横浜FCが今季2勝目を挙げた(写真◎J.LEAGUE)

■2021年7月11日 J1リーグ第22節(@Eスタ:観衆4,435人)
広島 0-1 横浜FC
得点:(広)なし
   (横)小川慶治朗

・広島メンバー◎GK林卓人、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MF藤井智也(HT:長沼洋一→77分:ドウグラス・ヴィエイラ)、ハイネル、青山敏弘、柏好文、エゼキエウ(70分:東俊希)、森島司(45+2分:鮎川峻)、FWジュニオール・サントス

・横浜FCメンバー◎GK六反勇治、DF伊野波 雅彦、韓浩康、袴田裕太郎(84分:カルフィン・ヨン・ア・ピン)、MF前嶋洋太、高橋秀人、瀬古樹、高木友也(81分:武田英二郎、小川慶治朗(57分:松尾佑介)、ジャーメイン良(57分:松浦拓弥)、FW渡邉千真(57分:クレーベ)

終盤の猛攻に耐え抜く

 この日の広島地方は梅雨明け間近の強烈な日差しが照りつけていたが、開始約30分前から太陽がある場所に雲がかかり、ピッチ全体が影で覆われた状態に。前半途中にはバックスタンド後方の山に太陽が隠れ、少しずつ暑さが和らぐ中で試合が進んだ。

 立ち上がりにスコアを動かしたのは横浜FCだった。11分、CKのピンチをはね返すと、クリアを拾った前嶋が、前線のスペースへと走る小川へスルーパス。残っていた広島の青山と藤井の間を抜けてフリーとなった小川は、飛び出してきたGK林を左にかわし、ドリブルで運んで無人のゴールに蹴り込んだ。

 その後は広島が多くのCKを獲得して同点を狙うが、横浜FCも粘り強く守って得点を与えない。33分には再びカウンターで攻め込み、相手のクリアミスを拾った高橋が右足でミドルシュートを放つも、わずかに上に外れて2点目はならず。

 細かいパスやボールコントロールの乱れが目立つ広島は、なかなかチャンスを作れなかった。それでも41分に右サイドを崩し、柏のセンタリングに飛び込んできた森島がヘッドで合わせたが、わずかに左に外れる。決定機を逃した上に、このプレーで右肩を痛めた森島がプレー続行不可能となり、鮎川との交代を余儀なくされるアクシデントにも見舞われた。

 横浜FCの1-0リードで折り返した後半、広島はボール支配率を高めてゴールを目指すが、両サイドも深く下がって5バックで守る横浜FCを攻め崩せない。62分には鮎川が青山とのパス交換でゴール前の密集を突破、フリーで左足シュートを放ったが、間合いを詰めたGK六反のセーブに遭う。

 57分に3人を同時に投入し、1トップ2シャドーを一気に入れ替えた横浜FCも、65分に交代で入ったクレーベと松尾の連係から、クレーベが右足で狙ったが、GK林がブロック。この後は攻め込む機会も減り、広島の猛攻に懸命に耐える時間が続いた。
 
 広島は82分、ジュニオール・サントスのミドルシュートのこぼれ球を、青山がエリア内で拾って右足で狙ったが枠を捉えず。さらに両サイドから何とか攻略を試みたが、最後まで1点が遠く、最後まで1点を守り抜いた広島が勝利を収めた。
 
 横浜FCは5月15日の第14節・湘南ベルマーレ戦以来、リーグ戦8試合ぶりの勝利。早川知伸監督は「全員がハードワークしてもぎ取った勝利。選手たちがよくやってくれた」と称え、「自分たちが(前節終了後の)2週間で守備のことを整理して、出せたものが、より多くあった。最後は押し込まれたが、体を張って、気持ちを込めて、ゼロで抑えてくれたことは大きな自信になる」と今季2勝目の価値を強調した。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE