サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、今シーズンもメディア横断企画「DAZN Jリーグ推進委員会 月間表彰」を実施している。当サイトでは、明治安田生命J1リーグにおいて、最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール」受賞者へのインタビューを掲載。6月の受賞者は、加入直後からセンセーショナルな活躍を見せている、浦和レッズのFWキャスパー・ユンカー。鮮やかなカウンターから決めた湘南ベルマーレ戦(18節/6月20日)の見事なループシュート(53分)について語ってくれた(※1)。

上写真=6月の月間ベストゴールを受賞したキャスパー・ユンカー(写真◎Getty Images)

シュートを打つ直前にGKを見た

――5月のJリーグKONAMI月間MVPに続き、6月の月間ベストゴールを受賞しました。

キャスパー・ユンカー(以下KJ) アリガトウゴザイマス! 素敵なカフスもいただきましたよ。

――さっそくゴールシーンを振り返ってください。攻め込まれた後、味方のクリアボールが目の前に来たところからでした。

KJ クリアボールが来るときは常に準備していて、ボールをキープすることが大事だと思っています。ただ、あのときはヨシオ(MF小泉佳穂)の良いサポートがあったので、ヘッドでヨシオにつないでスペースに飛び出したんです。カウンターアタックでしたから、ディフェンスラインの背後にスペースがあるのは分かっていましたし、ストライカーとしてラインを下げさせながら、事前にスペースをチェックしていました。自分の役割は、そういうスペースを探すことですから。

――スペースに走り込んで小泉選手のパスを受け、さらにドリブルで運んでから、前に出ていたGKの頭上を抜くループシュートを決めました。

KJ ヨシオが私の動きを見て、パスを出してくれました。最初はDFから離れるボールタッチを意識していたので、GKは見ていませんでしたが、シュートを打つ直前にポジションをチェックしたら前に出ていたので、チップキックで浮かせたんです。どんなシュートを打てばGKに止められずに決まる確率が高いのか、一瞬の本能というか、瞬間的に判断しました。自分の好きなタイプ、トレードマークのようなゴールでしたね。

――ユンカー選手のトレードマークのゴールとは、どんな形ですか。

KJ スペースを使い、走って決めるゴールです。ループシュートは他のシュートよりもリスキーで難しく、もっと簡単なシュートもありますが、GKが前に出ていれば瞬間的に判断して打つこともあります。いずれにしても心がけているのは、GKが止めにくいシュートを打つことです。

――7月7日の天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会2回戦でも、GKとの1対1から落ち着いて決勝ゴールを決めています。

KJ 私はサッカーを始めたときからストライカーです。子どもの頃は落ち着いてシュートを打つことができていましたが、プロになってから、それができなくなって苦しんだ時期もありました。でも経験を重ねることによって、リラックスしてシュートを打つ形を取り戻すことができています。湘南戦のゴールのように、60メートルの距離をフルスプリントしてからシュートを打つのは簡単ではありませんが、ネットを揺らすことができてうれしいです。

――ユンカー選手にも、落ち着いてシュートを打てない時期があったのですね。

KJ 20歳のときにプロになりましたが、順応に時間がかかってしまいました。でも、20歳代半ばになって飛躍する遅咲きの選手もいます。いま27歳の自分も、そうありたいと思っていますし、成長することによって、この年齢になって自分のポテンシャルをフルに発揮できるようになったと信じています。

――いまは、いろいろなパターンからゴールを決めていますね。

KJ あらゆる形から決めることができるストライカーになりたいと思っています。いずれにしても重要なのは、ボックス内(ペナルティーエリア内)でのポジショニングです。良いポジションを取ることでパスが来るし、パスが来れば枠の中にシュートを打つ。それができればゴールを決めることができます。シュートは頭でも、肩でも、どこで打っても構わないと考えています。良いストライカーは、どんな形でも決めることができるものです。