上写真＝古宿理久がプロ初のフル出場。中盤で浦和のパスワークを分断しようと必死に戦った（写真◎J.LEAGUE）
■2021年5月19日 JリーグYBCルヴァンカップ第6節（＠埼スタ/観衆4,252人）
浦和 2-0 横浜FC
得点：（浦）関根貴大、汰木康也
「決定的なパスをもっと出さないと」
青森山田高の一員として2019年度高校選手権の決勝を戦った埼玉スタジアムに、横浜FCの古宿理久がプロとして帰ってきた。高校の盟友である武田英寿が浦和レッズの赤いユニフォームを着て敵として立ちはだかる。ルヴァンカップ第6節は、古宿にとってはプロ冥利に尽きる一戦になった。
「ヒデと最後にやったのが、この埼玉スタジアムの決勝のピッチだったので、プロの舞台で埼スタでできたのはうれしいことですし、ヒデに負けたくない思いがありました」
しかも、武田が4-3-3の並びの右インサイドハーフだったから、ボランチの左に入った古宿とは何度も対峙する関係になった。
「足元の技術は前から変わらず上手ですけど、ハードワークするようになったなと自分から見て思いました」
かつての仲間の成長を、そんな風に表現して笑った。だが、試合には負けた。引き分け以上でグループステージを突破できたが、0-2で試合を終えて敗退を余儀なくされた。
「湘南戦は不甲斐ない内容と結果だったので、出た課題をしっかり自分の中でまとめて臨みました。ボールを受ける位置、判断するプレーの質、そしてまずはボールを奪われないことを意識しました」
これがプロ3試合目で、ルヴァンカップの前節湘南ベルマーレに続く先発出場を勝ち取った。そして、初めてのフル出場。短い期間で成長を見せた。
「自分が良くても、チームが勝てていないので、アシストやゴールを取っていかないと勝てないです。決定的なパスをもっと出さないといけないと思いました」
できるようになったことも実感している。
「レッズさんのアンカーを狙っていければと思っていて、ボールを奪ったあとにマギーニョやジャーメイン（良）を見れたのは良かったです」
ただ、浦和のパスワークに後手に回った守備については反省ばかりだ。
「守備の部分はファースト（最初の守備者）が決まらなかったので、ボランチの2人が食いついてしまって背中に入られたことが何回かありました。修正できればよかったですが、そのまま時間が流れてしまって。Jリーグでもそこは修正していきたい」
守備の連動に課題を感じながらも、最後まで戦い抜いた。それが古宿をさらにたくましくさせる。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE