鹿島アントラーズは9月10日、JFA・Jリーグ特別指定選手として明治大学4年生のDF常本佳吾が承認されたことを発表した。多くのJリーガーを排出してきた名門大学からまた一人、有望な若手が飛び出していく。

上写真=9月10日に練習に参加した常本。「プロ」の第一歩だ(写真◎KASHIMA ANTLERS)

「アグレッシブなプレーを」

 常本佳吾(つねもと・けいご)。1998年10月21日、神奈川県出身。174センチ、68キロ。DF。背番号42。

 来季加入が決まっている明治大学の右サイドバックが9月10日、2020年JFA・Jリーグ特別指定選手として承認され、さっそく練習に参加した。ザーゴ監督は、右サイドバックの本職の選手がいま不在なこと、来季に備えて早くからプロの生活や鹿島というクラブに慣れておくことを挙げて、このタイミングで合流するに至ったことを説明した。

 しかし、である。

「練習から存在感を生かして試合に絡んでいけたらいいと思っています」

 本人はいまから試合に出る気、満々なのだ。

「いつ登録されてもいいように準備してきました。自分のプレーを発揮して鹿島のために貢献できるように頑張っていきたい」

「アグレッシブなプレーを見せていきたいと思います。右サイドバックなのでオーバーラップやクロスでアシストに貢献していきたい」

 爽やかなビジュアルと語り口から、前向きな言葉がポンポンと飛び出してくる。自信の源は、明治大学での経験だ。1学年上の先輩は「最強明治」と呼ばれ、現在プロ1年目ながらそれぞれのチームで主力級の活躍を見せている。その先輩たちと伍して戦ってきた。

「昨年、卒業された先輩方が活躍されていて、明治の学生みんなの刺激になっています。明治でしっかり練習すれば活躍できるという見本になっています」

 中でも、FC東京の安部柊斗にはかわいがられたそうで、「長所を伸ばしていけば間違いなくプロに行ける。明治で体現していけばプロでもできると言っていたので、見習っていきたい」。先輩という身近な基準があることは、精神面で大きい。

 プレー面でも同様だ。

「明治には三原則というのがあります。求められているのは、球際、切り替え、運動量。先輩たちはどのチームに行ってもこの部分が一番できていると思っているので、鹿島でも和泉(竜司)さんと一緒に還元していきたいです」

 その明治大では背番号は2をつけている。

「明治の2を背負いたいと思って入りました。長友さん(佑都=マルセイユ)、室屋さん(成=ハノーファー)、岩武さん(克弥=浦和レッズ)、中村帆高さん(FC東京)といった先輩を目標にしてつけさせてもらいました。自分もそう思ってもらえたら」

 鹿島の「2」といえば、内田篤人だ。引退したばかりのレジェンド。

「そうですね、率直に狙っていきたいと思います」

 未来の背番号2への挑戦を宣言した。ひとまず今季は42。この9月10日から、「プロ」として伝統の背番号を目指し、自分のものにしていく旅が始まった。