8月24日、鹿島アントラーズの内田篤人がオンラインで引退記者会見を行なった。現役引退を決断した経緯について、サイドバックについて、家族について、そして今後について。およそ1時間10分に及ぶ会見で、記者からの一つひとつの質問に、内田は丁寧に答えた。

今後の人生。「チャレンジできることを考えたい」

 そして、内田は自身の今後について、次のように語った。

「いろいろな選択肢があると思うけれど、まだ一つ、二つに絞るのは早いかなと。いろいろな選択ができるように、少しずつ仕事をチョイスするというか、どこにでも行けるような仕事を選んでいきたいかなと思います。具体的にはまだ決まっていませんが、(自分には)サッカーしかないというよりは、サッカー以外のことでやっていく自信がないので、何かできればなと。

 32歳(という年齢)は、社会的に見れば若い方なんですけれど、小泉(文明)社長とか、30歳、40歳くらいで、すごく活躍されている方もいらっしゃる。そういう方々の知恵もいただきながら、自分はこの年齢で引退して、今後、チャレンジできることは何があるのかなということを考えたいです」

 32歳という年齢での現役引退。サッカー選手としての終幕を考えれば寂しさもあるだろう。だが、内田篤人の人生はこれからも続いていく。新たな道を進む内田の活躍には、今後も注目が集まる。

「本来ならば、皆さんの顔を見て、スタジアムでも多くの人に見守られながら、終わりたいなという思いもありました。でも、こういう状況なので…。メディアの皆さんに関しては、距離感は難しかった。サッカー好きな人が多いと思うので、これからは一緒に語り合えれば。ファン・サポーターに関して言えば、本当にたくさんの人に支えてもらって、プレーすることができました。これからは皆さんと同じように応援する立場になりますので、(スタジアムで)席が隣だったら挨拶してください。以上です!」

 会見の最後も、本音で締めた。鹿島のファン・サポーターのみならず、日本中、世界中のサッカーファンから“ウッチー”の愛称で親しまれる。そんな内田篤人が誰からも愛されるゆえんを表すような、70分間となった。

現役生活を終えた内田。その視線の先には、自身のどのような未来があるのだろうか(写真◎J.LEAGUE)

◎プロフィール
内田 篤人(うちだ・あつと)
生年月日:1988年3月27日、静岡県出身
ポジション:DF
身長、体重:176センチ、67キロ
経 歴:函南SSS-函南中学校-清水東高校-鹿島アントラーズ(2006)-FCシャルケ04(2010・ドイツ)-1.FCウニオン・ベルリン(2017・ドイツ)-鹿島アントラーズ(2018)

■通算成績
J1リーグ通算:148試合、3得点
リーグカップ通算:25試合、0得点
天皇杯通算:15試合、1得点
AFCチャンピオンズリーグ:24試合 3得点
FIFAクラブワールドカップ:3試合 0得点
ゼロックススーパーカップ通算:3試合 0得点
ドイツ・ブンデスリーガ通算:104試合 1得点
DFBポカール(ドイツカップ)通算:8試合 0得点
UEFAチャンピオンズリーグ:31試合、1得点
UEFAヨーロッパリーグ通算:9試合、0得点
ドイツ ブンデスリーガ(2部):通算:2試合、0得点

■獲得タイトル
Jリーグ優勝:3回(2007、2008、2009)
天皇杯優勝:1回(2007)
AFCチャンピオンズリーグ優勝:1回(2018)
ゼロックススーパーカップ優勝:2回(2009、2010)
DFBポカール優勝:(2010-11、ドイツ)
DFLスーパーカップ優勝:(2010-11、ドイツ)

■鹿島での個人タイトル
2008、2009年Jリーグベストイレブン

■日本代表歴
74試合出場、2得点
・日本代表の主な参加大会:2010、2014FIFAワールドカップ、2013年FIFAコンフェデレーションズカップ、2011年AFCアジアカップ
・U-23日本代表:2008年北京オリンピック
・U-20日本代表:2007年FIFA U-20ワールドカップ