Jリーグが帰ってくる。J1が7月4日から再開する。4カ月間、待ち望んだ試合を前に、サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、18媒体横断企画を実施した。全56クラブの選手・監督・関係者にインタビュー。「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE - 」をテーマに話を聞いた。昨季J1を制した横浜F・マリノスからは生え抜きのキャプテン、喜田拓也が登場。クラブへの熱い思いを語った。

昨季の優勝も全員の力があってこそ

昨季、15年ぶりに歓喜の瞬間を迎えた横浜F・マリノス。「全員の力があればこそ」と喜田は言う(写真◎Getty Images)

――そうした人の輪の中心となるクラブの重要性を再認識されたのでしょうか。

喜田 日頃から感じていることではありますが、僕にとってはもちろんのこと、F・マリノスというクラブはそれぞれの人にとって特別なクラブである、と実感することが多々ありました。F・マリノスを愛してくれている人がすごく多いな、と感じます。これまで築き上げてくれたもののおかげでもあるし、今いる選手たちだけではなく、これまでの先輩たちが人生を懸けてつないできた歴史や伝統と言えるものです。ずっと力を貸してくれてきたスタッフやファン・サポーターの存在も忘れてはいけないとも、より強く感じました。

 そのうえでF・マリノスの価値をさらに上げていくのは、今クラブにいる僕たちだと思います。F・マリノスをどんなチーム、クラブにしていけるかは僕らに懸かっているし、この機会を無駄してはいけないと思います。今がF・マリノスとして変わり切るタイミングだと思うし、この仲間となら変えていけるという自信もあります。それをどう導いていこうか、みんなとどう頑張っていこうかと、この中断期間に考えましていました。

――確かにこの数年、選手の入れ替わりなど、クラブ全体も含めて大きく変わってきています。

喜田 その時々で、いろいろなことがありました。いろいろな感情が湧きながらも、これを無駄にしてはいけないと思って進んできました。関わってきた人たちの思いを絶対に生かさないといけないし、受け取った僕たちが形にして表現することが、そういう人たちへの恩返しになると思ってきました。選手だけではなく、ファン・サポーターも本当に一緒に団結して進んできてくれたという感覚があります。

 皆さんご存知のとおり、2018年にボス(アンジェ・ポステコグルー監督)が就任して、サッカーのスタイルがガラッと変わりました。結果だけ見れば最初は苦しみましたが、ファン・サポーターの方々も腹をくくって、覚悟を決めてクラブと選手に寄り添ってくれました。そこを一緒に乗り越えたからこそ、2019年(の優勝)があったと思います。これはほんの一例で、支えてくれている人に結果で恩返ししていくのが、僕たち選手の役目だと思っているので、それに向けて邁進していきたいですね。