1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第29回は、名古屋グランパスをJ1残留に導いたジョーを取り上げる。

上写真=来日1年目で名古屋の残留に貢献したジョー(写真◎J.LEAGUE)

開幕戦で決勝ゴール

 2016年に史上初のJ2リーグ降格となった名古屋グランパスは、翌17年のJ2で昇格プレーオフを勝ち抜き、1年でのJ1リーグ復帰を果たす。迎えた18年、新しいチームの得点源として期待され、ブラジルのコリンチャンスから加入したのが、FWジョーだった。

 17年のブラジル全国選手権で得点王とMVPを獲得し、14年には地元開催のワールドカップでブラジル代表としてもプレーしている大物ストライカーの加入は話題を集めた。期待に応えたジョーはアウェーでのガンバ大阪との開幕戦、Jリーグ初得点となる決勝ゴールを挙げて3-2の勝利に貢献する。

 だが、第2節以降は5試合連続ノーゴール。チームも開幕2連勝から一転、第3節で引き分けると、第4節からは8連敗を喫する苦しいスタートを切った。ジョーは第7節で2得点、第11節では1得点を挙げたものの、どちらもチームは敗戦。名古屋は第12節と第13節の引き分けを挟み、第14節からも3連敗と、厳しい状況が続いた。