写真◎J.LEAGUE
1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第28回は、川崎フロンターレJ初制覇の立役者、小林悠を取り上げる。
上写真=Jリーグアウォーズで長男から花束を受け取った小林。最高の笑顔だった写真◎J.LEAGUE)
初めてキャプテンにも就任
2017年の川崎フロンターレは、13年から3年連続でJ1リーグ得点王を獲得するなど、得点源として活躍してきたFW大久保嘉人がFC東京に移籍。10年に拓殖大から加入し、プロ8年目を迎えるFW小林悠に大きな期待がかかっていた。サッカーマガジン2020年5月号のインタビューで、本人は当時のことを次のように振り返っている。
「シーズンが始まる前に嘉人さんが移籍しました。だからこそ、得点王を目指していたというよりは、『チームで得点を取るのは俺しかいない。嘉人さんのぶんは自分が取るしかない』と思ってスタートしました。そういった覚悟を持って挑んだシーズンでしたね」
初めてキャプテンにも就任したこの年、強い決意を示すかのように第1節、第2節とも先制点を決める好スタートを切る。だが、その後は第7節と第10節で得点を挙げたものの、第16節を終えて4得点と、シーズン半ばまでは得点力爆発というわけにはいかなかった。
だが、前半戦最後の第17節が転機となる。ホームでのヴィッセル神戸戦で2得点を挙げ、5-0の大勝に貢献。さらに次の試合、延期分を消化した第13節でも2得点、第18節では1得点を挙げ、3試合で計5得点を挙げて3連勝に貢献し、勢いに乗った。