写真◎J.LEAGUE
1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第20回は、史上初の2年連続得点王に輝いた前田遼一をピックアップ。
史上9人目のJ1通算100得点
磐田はこの年、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で決勝に進出。サンフレッチェ広島とのファイナルでは、前田が獅子奮迅の活躍を見せた。
1-2で迎えた試合終了間際の89分、CKからの味方のシュートを相手GKがはじいたこぼれ球を押し込み、起死回生の同点ゴール。4-3の状況だった延長後半の通算109分には突き放す5点目を決めた。2得点に加え、2つのアシストも記録する圧巻のパフォーマンスで5-3の勝利に貢献し、12年ぶり2回目の優勝を成し遂げて、高々と優勝カップを掲げている。
その後のリーグ戦6試合でチームは1勝2分け3敗と苦しんだものの、前田は最後の3試合で連続ゴールを決めるなど奮闘。第33節では史上9人目となるJ1通算100得点に到達した。結局、欠場した開幕戦以外の33試合にフル出場して17得点。31試合出場・17得点のケネディ(名古屋グランパス)と並び、史上初の2年連続得点王に輝いた。
着実に進化するストライカーは、この年の秋以降、アルベルト・ザッケローニ新監督が就任した日本代表にも定着。年明けの2011年アジアカップでは主力として活躍し、2大会ぶり4回目の優勝に大きく貢献している。