1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第20回は、史上初の2年連続得点王に輝いた前田遼一をピックアップ。

上写真=磐田の大黒柱として素晴らしい活躍を見せた前田(写真◎J.LEAGUE)

厳しいマークにも負けず

 20得点を挙げて初の得点王に輝いた2009年のオフ、前田遼一に複数のJクラブが獲得オファーを出した。しかし最終的に残留を選択し、2010年も磐田のエースとしてプレーすることになる。

 開幕戦は欠場したものの、第2節からはフル出場。磐田は開幕4試合で1分け3敗の苦しいスタートとなったが、第5節で前田の2得点の活躍もあって初勝利。南アフリカ・ワールドカップによる中断期間前の第12節までに7得点を挙げ、期待に応えた。

 高いシュート技術を駆使するフィニッシュ、安定したボールコントロールを生かすポストワークなどは相変わらずで、下がってパスを受けて攻撃を組み立てる役回りも。相手のマークは厳しさを増しており、ワールドカップによる中断明けに6試合連続で無得点に終わった時期もあったが、第22節からは3試合連続の計4得点を挙げ、チームの3連勝に貢献した。