写真◎J.LEAGUE
1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第10回は、史上初の優勝クラブからの得点王、高原直泰を取り上げる。
史上初の両ステージ制覇
前年のJリーグMVPである藤田俊哉や、円熟期を迎えていた名波浩などを擁する中盤からのパスを確実に得点する高原は、ゴール前で自ら強引に突破してフィニッシュに持ち込むなど、多彩なゴールパターンを持っていた。2ndステージは第4節まで1得点と勢いが衰えたかに見えたが、第5節ではFC東京から4得点を奪い、6-1の大勝に貢献した。
その後、第11節からは3試合連続の計5得点。勝ち点を重ねた磐田は第14節、ホームで東京ヴェルディ1969を下して2ndステージを制し、1stステージと合わせて史上初の両ステージ制覇で3回目のJリーグ制覇を達成する。高原は続く最終節で1得点を挙げ、通算27試合出場・26得点で初の得点王に輝いた。
優勝クラブの選手が得点王となったのは、意外にもJリーグ10年目にして初めて。23歳での得点王は史上最年少で、JリーグMVPにも選出される充実のシーズンとなった。