3月25日、Jリーグは『2020年度 第2回臨時合同実行委員会』を開き、J3リーグが4月25日、J2リーグが5月2日、J1リーグが5月9日と段階的なリーグ再開を目指すことで合意した。また、2カ月間はアウェー観戦の自粛を要請する。

上写真=Jリーグの村井満チェアマン(写真◎J.LEAGUE)

アウェーの観戦は自粛を要請

 25日、Jリーグ56クラブの実行委員が参加した臨時委員会が開かれた。委員会後のWEBブリーフィングに出席した村井満Jリーグチェアマンは、委員会の内容について説明。19日の政府の専門家会議、23日のNPBとJリーグの連絡会議の専門家の提言を踏まえた上で議論・検討し、以下の5つの項目について合意した。

1.4月3日のリーグ再開の延期
2.リーグ再開(J3は4月25日、J2は5月2日、J1は5月9日)
3.アウェー観戦の自粛要請
4.収容率50%以下を目指す(座席の間隔を空ける)
5.状況に応じた判断と対応

 それぞれの合意事項に関する村井チェアマンの説明は次の通り。まずは1つ目のリーグ再開の再々延期について。

「4月3日の再開を目標として掲げていましたが、延期することを決定しました。お客様を守るための装備の準備がありました。体温を測定するサーモメータ―等の備品の調達について、全クラブの必要数を試算したところ、450個程度必要とみています。これはJ1、J2、J3のそれぞれの入場ゲートや関係者のゲートも試算していますが、全体でその数が必要だと。その入手に関しては段階的に計画していますが、4月18日に調達できる見通しです。その意味で、4月3日の再開は断念せざるを得ませんでした。このほか運営スタッフ用のマスク(7万枚)や消毒液(300リットル)等についても、国民の皆様もこうした物資が必要となっている中で我々だけが先行した確保するのは難しい状況でした」

 2つ目のリーグ再開時期について。

「4月18日にサーモメータ―は準備できる見通しですが、運用には習熟したスキルが必要と思われます。さまざまな要素を考慮しながら測定していく必要がありますので、すぐにスタートできるものではありません。一定程度の準備期間が必要だと思われます。また、のちほど説明しますが、お客様の収容数や収容率などさまざまな状況を鑑みたときに、J3の先行再開を決めました。4月25日土曜日の再開を予定しています。
 J3が先行してサーモメーターの運用する中で、J1、J2、そしてリーグが協力することで利用レベルを上げていくことを考えております。
 そしてJ2は5月2日の再開、J1は5月9日の再開を想定しております。段階的に再開することで一番、規模の大きいJ1が習熟する期間を設けることができます」

 3つ目のアウェー観戦の自粛について。

「多くの専門家の皆様にいただいたイベント開催に関する提言について検討を重ねた上で合意したことです。イベント開催については密閉した場所、密集した場所、密接した手が届くような範囲で大きな声を出すようなことがあると、新型コロナウイルスの感染を拡大する可能性があるという話でした。その3つの要素のうち、Jリーグは密閉した場所ということに関しては多くのケースで回避されている。密集と、密接について議論を重ねました。
 まず密集に関して『全国規模の大型イベント』という指摘は、全国各地から人が集まるということを懸念してのことです。仮にクラスター(集団感染)が起きたときに、全国各地に感染を広めることが想定されます。ですから、詳細はこれから決めることになりますが、2カ月をめどに、全国各地から来られるアウェーのお客様に観戦自粛をお願いすることを想定しています。
 ホームのお客様も遠距離から来られる方もいますし、アウェーのお客様も近くの方もいらっしゃる。ルール作りは難しく、難易度を極めることになりますが、アウェー観戦の席を設けないことを中心に、詳細を詰めていくことになると思います。これが、密集に関するわれわれの姿勢です」