2011年シーズン、J1昇格1年目でリーグ優勝をさらったシーンは覚えているファン・サポーターは多いはずだ。柏レイソルのアカデミー組織で育った古賀太陽もそのひとり。21歳の生え抜きは9年前の再現を誓う。

上写真=キックオフカンファンレンスに参加した古賀(写真◎J.LEAGUE)

取材◎杉園昌之

立田や渡辺を見て刺激を受けた

――長いキャンプを終えて、いよいよシーズン開幕です。ここまでの自身の手応えは?

古賀 シーズンオフから動いていたので、コンディションを保ったままキャンプに入れました。それもあり、練習からいいパフォーマンスを見せることができています。

――具体的にはどこが良いのですか。

古賀 周囲との連係ですね。昨季のメンバーがほとんど残っていますし、コンビネーションがさらに深まっています。サイドバックとサイドハーフの関係、トップ下を含めて3人の連係もいいですね。僕自身、役割が明確になりました。

――明確になったところとは?

古賀 昨季は守備の部分で少し苦労したのですが、それが少しずつクリアになってきました。相手が高い位置を取ってきても、サイドハーフが見るのか、サイドバックの僕が見るのか、そこのマークの受け渡しがスムーズになりました。コミュニケーションを取りながら、うまくやれています。前向きの状態で相手をつぶす回数も増えました。個人的に意識しているところです。

――ネルシーニョ監督は、つぶし切る守備については、厳しく言いますよね。

古賀 そうですね。守備の強度については、いつも言われています。本来は監督から何も言われないくらいにしないと、ダメなんですが(笑)。もっとこだわりたいです。

――ネルシーニョ監督に言われ続けて、変わりましたか。

古賀 昨シーズン、レイソルで成長した点だと思います。あとは(U-23)代表活動を経験したのも大きいです。同じポジションの選手たちを見て、刺激を受けました。ボールを奪い切る力をつけないといけないなと。自分の基準値が上がりました。

――刺激を受けた選手とは?

古賀 清水エスパルスの立田悠悟選手だったり、FC東京の渡辺剛選手。守備で強みを持っているプレーヤーを見ると、感じるものがありました。

――今季、守備の部分以外に組んでいることはありますか。

古賀 サイドバックとして、クロスの質と回数は意識しています。
――クロスの質は向上しましたか。

古賀 昨季は僕のクロスからゴールが生まれなかったので、今季はアシストを増やして、チームの勝利に貢献したいです。

――参考にしている選手はいますか。

古賀 レイソルの先輩でもある酒井宏樹選手(現マルセイユ=フランス)です。あれだけアシストできれば、レイソルの上位進出に貢献できるはずです。酒井選手くらい、チームのなかで存在感を出していきたい。

――古賀選手の背番号は、酒井選手が柏時代に付けていたものですね。

古賀 自分の中ではダブらせています。いつかは酒井選手を超えるような選手になりたいです。

――4番は酒井選手を意識して付けたのですか。

古賀 レイソルの背番号4は、ほかにも偉大な選手が背負ってきた番号ですが、僕のなかでは酒井選手の印象がすごく強くて。昔も今も目標とする存在です。

――右左の違いはありますが、幼い頃から酒井選手のプレーは見ていたのですか。

古賀 ジュニア(小学生)時代から日立台のスタントで応援していました。いまでもあの頃の酒井さんのプレーは、覚えていますよ。僕にとっては憧れであり、お手本でしたから。僕も同じように、アカデミー組織の選手たちが憧れる存在になりたいですね。