天皇杯準々決勝で、鹿島はHonda FCに苦戦を強いられた。前半をシュート1本に抑えられるなど、チャンスを作ることができず。それでも、65分にFW土居聖真が決勝ゴールを奪い、準決勝進出を果たした。

上写真=70分から左サイドバックで出場した小泉(写真◎GettyImages)

■2019年10月23日 天皇杯準々決勝
鹿島 1-0 Honda FC
得点者:(鹿)土居聖真

「思い切ってプレーしなければ」

 鹿島が1点をリードして迎えた70分、左サイドバックの小池裕太に代わり、背番号37がピッチへと投入された。鹿島では主に右サイドバックやボランチでの出場を重ねてきた小泉慶に任されたのは、小池と同じ左サイドバックのポジションだった。

「後半が始まったときに(左サイドバックでの出場の可能性を)伝えられていたので、準備はしていました。だいぶ(長い期間)やっていなかったけれど、新潟時代に少し左サイドでも(試合に)出ていました。相手(Honda FC)に勢いがあったので、守備からしっかり入ろうと思いましたし、自分は左利きではないけれど、オープンに(サイドへ開いてボールを)持ったほうが左サイドハーフや、フォワードの選手もやりやすいかなと思ったので、そういうところも意識しました」

 小泉本人がそう振り返るように、鹿島で初めて出場するポジションでも戸惑うような場面はなかった。対人守備では激しくボールを奪いに行き、敵陣でパスを受けると「チャンスがあれば」と積極的にシュートを放った。わずか20分あまりの出場で、FW土居聖真と並ぶチーム最多のシュート2本を記録。枠をとらえることはできなかったが、「ガンガン思い切ってプレーしなければ」とアグレッシブな姿勢を前面に出し、チームに活力を与えようとした。

「個人としては、(以前の試合で)サイドバックからボランチに戻ったときに不甲斐ないプレーをしてしまった。もっとやらなくちゃいけないし、もっとやれる。ボランチでも、サイドバックでも、とにかく良いパフォーマンスを続けるしかないです。このチームのために、まずは“戦う”ということに専念してやれれば、と」(小泉)

 そして、最後まで1点を守り切って、公式戦4試合ぶりの勝利。「強い相手だったし、1点差で難しいゲームだったけれど、チームとして今日しっかり勝てたのは、今後につながる。連戦でずっと試合に出ている選手もいるし、ケガ人もたくさんいるので、しっかり休みを取って、リーグ戦(次戦は11月1日浦和戦)につなげていければと思います」と、小泉は安堵の表情を浮かべた。