AFCチャンピオンズリーグエリート第8節が2月18日に行われ、ヴィッセル神戸はアウェーで上海申花(中国)と対戦。前節時点でラウンド16進出を決めていた神戸だが、開始早々にGKが退場し、苦しい戦い強いられると、一時は0−4とされた。だが、終盤に2点を返し、昨季J1王者の意地をみせた。

上写真=左サイドバックで先発した小池裕太(写真◎Getty Images)

ヤングガンが先発に並ぶ

神戸の先発メンバー(写真◎Getty Images)

 開始1分。相手にCKを与えると、ファーでフリーになっていたサウロ・ミネイロにヘディングを決められ、神戸は上海申花に対して早くもビハインドを背負った。

 そして開始7分。相手のロングボールに対してボックスの外に飛び出したGKのオビ・パウエル・オビンナがボールに触れることなく相手FWのアンドレ・ルイスと衝突。一発退場となり、神戸は早々と10人で戦うことを余儀なくされた。

 ゲームプランはスタートから10分と経たないうちに崩れた。そこから苦しい戦いを強いられることになった。それでもなんとか失点を食い止めていた神戸だが、前半のアディショナルタイムにはボックス内への進入を許し、チャン・シンイチに左足で決められて2点をリードを奪われた。

 ハーフタイムで立て直しを図りたかったものの、後半早々の48分にはアンドレ・ルイスのヘディングシュートを新井章太が弾いたところに、サウロ・ミネイロに詰められてしまう。これで0−3。

 さらに65分にはクロスに対応してスライディングした岩波拓也の手がボールに当たり、PKを取られる。これをサウロ・ミネイロに決められ、0−4と大差をつけられた。

 このまま終われば、後味の悪い一戦になっただろう。しかし、87分に齊藤未月の縦パスをボックス手前で収めた冨永虹七が反転シュートを決めて1点を返す。そして90+3分には敵陣で得たFKの場面で途中出場の広瀬陸斗が送ったボールを井出遥也がヘッド。2点を返し、意地をみせた。

 ただでさえ難しいアウェーゲームの序盤に一人少ない状態となり、失点を重ねた。だがそのまま無得点で終わらず、終盤に2点を返して地力を示したことは、神戸にとってポジティブだった。

 前節終了時点ですでにラウンド16進出を決めていたこともあり、なおかつ過密日程ということもあり、この日は17歳の濱崎健斗と瀬口大翔、19歳の橋本陸斗、21歳の日高光揮が先発し、3トップの中央で先発した20歳の冨永はゴールを決めた。

 2025シーズン、神戸はアジア王者を目指すとともに、J1での3連覇、天皇杯連覇もかかるが、タイトなスケジュールとの戦いも待っている。それらすべてをやり抜くためには、チームの総合力を高めることがマストだ。つまりは若い力の台頭が欠かせない。

 その意味からすれば、極めて難しい展開となった今回の試合を、若い選手たちが経験したことは貴重だった。のちのち振り返ったときに、極めて意味のある一戦になっているかもしれない。