Jリーグが帰ってくる。J1は7月4日からリーグが再開する。4カ月間、待ち望んだ試合を前に、サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、18媒体横断企画を実施。全56クラブの選手・監督・関係者にインタビュー。「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE -」をテーマに話を聞いた。仙台からはクラブ一筋で16年目を迎えた富田晋伍が登場。ブレないボランチの生き様は、これからも変わらない。

僕の中ではリャンさんのほうが上

練習でハツラツとした動きを見せる富田(写真◎VEGALTA SENDAI)

――現状維持ではなく、さらに成長していくと。

富田 成長しなければ、試合に出場できませんから。

――ベガルタ仙台のJ1歴代最多出場記録を持つ富田選手が言うと、言葉にも重みが出ます。J1通算301試合は断トツです。

富田 クラブで歴代1位と言われても、ピンときません。J1の出場数だけですから。J1・J2通算では、522試合に出場しているリャンさん(梁勇基/現サガン鳥栖所属)がトップです。僕はJ1・J2通算410試合。リャンさんは僕よりプロ生活が1年長いだけなのに、100試合以上も差があります。僕のなかではリャンさんの記録が一番上にきているんです。

――富田選手はJ2で5シーズン過ごし、109試合に出場していますね。

富田 J2降格は経験したことはないですが、J1昇格の難しさは知っています。一度落ちると、戻ってくるのは大変です。今後もJ1にいて当たり前と言われるようなクラブにしていきたいです。

――ベガルタ一筋で16年目です。若い頃に比べると、クラブへの思いも変わってきましたか。

富田 正直に話すと、プロになる前はベガルタのことを詳しく知らなかったです。それが16年もお世話になっています。プライベートでも、仙台の土地で結婚して、子どもも生まれました。生まれ育った栃木よりも長く住んでいます。僕の中で、ベガルタの存在はとても大きいものになっています。いまは仙台から離れるなんて想像すらできません。

――2015年、16年、17年と3シーズンにわたり、キャプテンも務めました。マイペースで口数が少ない印象だったので、少し驚きました。

富田 自分でも驚いているくらいですよ。キャプテン1年目は「本当に僕でいいのか」と自問自答していました。チームも残留争いに巻き込まれ、やっぱり自分には向いていないと思ったりもして。思うように結果につながらなかったですし、キャプテンとして責任も感じました。いま思えば、もっと周りを引っ張らないといけなかったと思います。それでも、監督から信頼して託してもらったので、最後までやりがいを持って、取り組みました。キャプテンを務めた3年間は充実していたとは言えないですが、あの経験は積んで良かったです。