Jリーグが帰ってくる。J1は7月4日からリーグが再開(開幕)する。4カ月間、待ち望んだ試合を前に、サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、18媒体横断企画を実施した。全56クラブの選手・監督・関係者にインタビュー。「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE - 」をテーマに話を聞いた。ベガルタ仙台のスタッフ、笹氣理敬事業・営業部長がウィズコロナ時代のクラブ運営について語る。

クラウドファンディングを活用して七夕祭りを支援

ユアテックスタジアム仙台でしか味わえない熱狂、感動があると笹氣事業・営業部長は言う(写真◎J.LEAGUE)

ーー今回のコロナ禍でチームグッズも充実させたとか。

笹氣 自宅でもベガルタを感じてもらうことがテーマでした。ファン・サポーターの年齢層ごとの1日の生活を想像し、生活用品のラインナップを増やしました。マグカップ、ペット用ユニフォームは全選手で展開しています。4月からは毎週2つ新アイテムを発売しているんですよ。ECの売り上げも伸びています。

ーーコロナ禍ではホームタウン活動も難しいと思いますが、取り組んでいることはありますか。

笹氣 「仙台七夕を継承しよう!」と「Vstella(ヴィステーラ)プロジェクト」というテーマを掲げ、クラウドファンディングを活用して支援を行っています。仙台七夕は400年の歴史があるお祭りですが、今年は中止になりました。楽しみに待っていた人もいれば、それによって仕事を失った職人さんもいます。その方を助ける思いもこめて、祭りで使用する予定だった和紙をクラブの応援うちわに活用したり、ベガルタを通じて自宅で七夕を感じてもらえるような地域活動をしています。「Vstella(ヴィステーラ)プロジェクト」はクラブのアカデミー(ユース、ジュニアユース、ジュニア)を支援するものです。

ーークラブスタッフにとって、この4カ月はどのようなものでしたか。

笹氣 2011年の東日本大震災とはまた違う、試合ができないもどかしさと辛さがありました。そのなかでも、いまでできることに重点を置いて取り組んできました。

ーー今季は過密日程になり、試合運営を含めてクラブスタッフの仕事も大変になると思います。連戦の準備はできていますか。

笹氣 まずは安全にお客さんを迎え入れる準備をしないと。そのなかでできるサービスを考えて、提供していきたいです。ユアテックスタジアム仙台でしか味わえない熱狂、感動があります。震災後の再開時もそうでした。その価値を認識しながら、仕事をしていきたいです。来場できない人たちには、ぜひDAZNで試合を観戦してもらいたいと思います。

取材・構成◎杉園昌之 写真◎VEGALTA SENDAI、J.LEAGUE

◎Profile
ささき・ただひろ◎1980年4月18日生まれ。宮城県仙台市出身。2010年にベガルタ仙台に入社。震災時はホームタウン担当で復興支援活動に取り組んでいた。その後、営業部でスポンサーセールスを行い、昨年はチケット、ファンクラブを担当。今年5月からスポンサーセールス、チケット、ファンクラブ、飲食売店、グッズなどをまとめる事業・営業部長を務めている。