歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第30回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成30年(2018年度)は川崎フロンターレがJ1連覇、鹿島アントラーズがACLを初制覇、ロシアW杯では日本が16強入りを果たした。

上写真=鹿島アントラーズが悲願のACL優勝を成し遂げた(写真◎J.LEAGUE)

鹿島が前人未到の20冠達成

 Jリーグに、イニエスタという世界的名手が加わった。FCバルセロナからヴィッセル神戸に加入した歴戦の勇者のプレー見たさに、アウェーゲームの神戸戦にも多くのファン・サポーターが詰めかけた。自然、リーグ全体も活気を帯びることになった。そんな熱いリーグを制したのは、川崎フロンターレ。序盤シーズンをけん引したサンフレッチェ広島が中盤以降に失速。入れ替わるように首位に躍り出たのが、奪取速攻に磨きをかけ、さらに進化した姿を披露した川崎Fだった。

 J1優勝を決めたのは、32節。川崎FはアウェーでC大阪に敗れたが、広島もホームでベガルタ仙台に敗れたため、史上5チーム目の連覇を達成した。

 Jリーグカップでは、新王者が誕生している。湘南ベルマーレが杉岡大暉のゴールで横浜F・マリノスを下し、初優勝。一方、天皇杯は浦和レッズがベガルタ仙台を破り、12大会ぶり3度目の優勝を果たした。勝負を決めたのは宇賀神友弥の得点だった。

 この年は、Jクラブがアジアの頂点にも立っている。前年の浦和レッズに続き、鹿島アントラーズがACL優勝を果たした。日本で最も多く栄冠を手にしてきたクラブながら、ACLのタイトルだけは手にしていなかった。水原三星、シドニーFC、上海申花と同居したグループを2位で突破すると、ラウンド16で上海上港、準々決勝で天津権健、準決勝で水原三星を撃破。鹿島らしい勝負強さを随所に発揮し、決勝ではペルセポリスを1勝1分けで下し、念願の初優勝を果たした。また、このタイトルはクラブ通算20冠目でもあった。

 そしてアジア王者として出場したクラブワールドカップ(開催地、UAE)では、準決勝でレアル・マドリードと対戦。舞台は2年前と同じ決勝ではなかったものの、雪辱戦と言えた。しかし、結果は1-3と完敗。3位決定戦でもリバープレートに敗れたが、再びクラブW杯に鹿島の名を刻んだ。また、大会後、年末になって長く鹿島をけん引してきた小笠原満男が引退を発表した。

■平成30年度の主な出来事(2018年シーズン)

・2月10日 ゼロックス杯でC大阪が初優勝
・2月23日 Jリーグ開幕。史上初の金曜日開催
・4月9日 日本サッカー協会の田嶋幸三会長が会見を行ない、ハリルホジッチ監督の解任、西野朗新監督の就任を発表
・4月20日 女子アジアカップ(ヨルダン大会)で日本が2大会連続優勝。女子W杯出場権を獲得する
・5月24日 スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが神戸と契約を結ぶ
・5月31日 ロシアW杯代表メンバーを発表
・6月19日 ロシアW杯、日本は初戦でコロンビアに勝利
・7月2日 決勝トーナメント1回戦で日本はベルギーに逆転負け。ベスト8の壁を越えられず
・7月21日 なでしこリーグ杯決勝で、ベレーザがINACを下す
・7月26日 日本代表監督に森保一氏が就任。A代表と五輪代表を兼任することに
・8月13日 インターハイは山梨学院高が優勝
・8月31日 アジア大会(インドネシア)で日本女子が優勝
・9月1日 アジア大会、日本男子は決勝で韓国に敗戦
・9月6日 北海道胆振東部地震の影響により、キリンチャレンジカップ・チリ戦の中止が決定
・10月7日 AFC U-16選手権(マレーシア大会)で日本は準優勝。U-17W杯出場権を獲得
・10月27日 ルヴァン杯で湘南が初優勝
・10月27日 なでしこリーグでベレーザが4連覇達成
・11月1日 AFC U-19選手権(インドネシア大会)で日本は決勝進出を逃すも、U-20W杯の出場権を獲得する
・11月4日 川口能活が現役引退を発表
・11月10日 川崎FのJ1リーグ連覇が決定
・11月10日 鹿島がペルセポリス(イラン)を下し、悲願のACL初制覇を遂げる
・12月1日 南アフリカW杯得点王のダビド・ビジャが神戸と契約し、会見を行なう
・12月9日 天皇杯決勝は浦和が12大会ぶりに優勝
・12月15日 高円宮杯(U-18)チャンピオンシップは広島ユースが5回目の優勝
・12月22日 大学選手権は法政大が42年ぶりに優勝(第67回)
・12月22日 クラブW杯に出場した鹿島は4位に終わる
・12月27日 小笠原満男が現役引退を発表
・19年1月1日 皇后杯はベレーザが優勝し、大会3連覇とシーズン3冠を達成(第40回・18年度)
・19年1月14日 平成最後の高校選手権は青森山田高が優勝(第97回・18年度)
・19年2月1日 アジアカップ(UAE大会)の決勝で、日本はカタールに1-3で敗れて優勝を逃す

鹿島にとっては20冠目はACLのタイトルとなった(写真◎J.LEAGUE)

アジア王者としてクラブW杯に出場した鹿島。写真中央は安部裕葵(写真◎Getty Images)

川崎FがJ1連覇を達成。前年より進化して、勝利を重ねた(写真◎Getty Images)

湘南がJリーグカップに初優勝。埼玉スタジアムで歓喜に酔いしれた(写真◎Getty Images)

天皇杯は12大会ぶりに浦和が制した(写真◎Getty Images)