歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第28回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成28年(2016年度)は鹿島アントラーズがJ1と天皇杯の二冠を達成し、クラブW杯では世界から称賛された。

リオオリンピックで知った世界

 日本女子代表(なでしこジャパン)は3月のアジア予選に敗れてリオ・オリンピック出場を逃した一方で、男子代表は1月のAFC・U-23選手権で優勝。6大会連続の出場を決めた。

 しかし、本大会では早期敗退を余儀なくされる。グループステージ(GS)初戦でナイジェリアと派手な打ち合いを演じた末に、4-5で敗戦。続くコロンビア戦は中島翔哉、浅野拓磨の得点で2-2と引き分け、3戦目のスウェーデン戦は矢島慎也のゴールで1-0と勝利を収めたものの、2位コロンビアの勝ち点5に1ポイント及ばず、グループ3位で大会を終えた。

 ただ、この時点で結果は出せなかったが、強豪国と互角の戦いを演じ、世界を知った中島や南野拓実、遠藤航、植田直通ら、このチームの多くの選手が敗戦から学び、世界へ羽ばたいていくことになった。

◆平成28年度の主なタイトル一覧
Jリーグ:鹿島アントラーズ
天皇杯:鹿島アントラーズ(第96回・16年度)
Jリーグ杯:浦和レッズ
JリーグMVP:中村憲剛(川崎F)
Jリーグ得点王:レアンドロ(神戸)、ピーター・ウタカ(広島)
Jリーグ新人王:井手口陽介(G大阪)
Jリーグ最優秀監督賞:石井正忠(鹿島)
高校選手権:青森山田高(第95回・16年度)
高円宮杯U-18:青森山田高
大学選手権:筑波大
なでしこリーグ:日テレ・ベレーザ

なでしこジャパンは予選で敗退し、リオ五輪出場が叶わなかった(写真◎Getty Images)

OA枠の興梠慎三(13番)、藤春廣輝(4番)、塩谷司(6番)を加えて戦った日本。南野(18番)や大島僚太(8番)、遠藤(3番)らが才能を示したものの、8強進出は叶わなかった(写真◎Getty Images)

中島翔哉(10番)はこの大会の1年後、ポルトガルに羽ばたくことになった(写真◎Getty Images)

Jリーグ順位表(2016シーズン)
順位チーム
1鹿島59341851119
2浦和7434235633
3川崎F7234226629
4G大阪58341771011
5大宮5634151185
6広島55341671118
7神戸55341671113
85434159108
9FC東京5234157120
10横浜FM51341312915
11鳥栖4634121012-1
12仙台433413417-9
13磐田363481214-13
14甲府313471017-26
15新潟30348620-16
16名古屋30347918-20
17湘南27347621-26
18福岡19344723-40
※年間順位