写真◎関東大学サッカー連盟/飯嶋玲子
あの頃があるから今がある――。この連載では大学時代に大きく成長し、プロ入りを果たした選手たちを取り上げる。第9回は、国士舘大での4年間でプレーの幅を広げ、現在は東京ヴェルディで活躍する佐藤優平だ。
思い入れの強い古巣へ
そして、最終学年でキャプテンマークを巻くと、責任感も増した。大学の先輩である柏好文(現・サンフレッチェ広島)の助言を胸に留めていた。
「4年生になったら良いプレーするのは当たり前。チームを勝たせることで、自分が目立たたないといけない。チームとして結果を残すことが、個人の評価につながる」
2012年の関東大学リーグでは、その言葉どおりのプレーをピッチで体現する。プロ関係者の目に留まり、古巣の横浜FMだけではなく、ベガルタ仙台、湘南ベルマーレ、モンテディオ山形からも高い評価を受けた。最終的には思い入れの強いトリコロールのユニフォームを選んだが、謙虚な姿勢を貫いたままだった。
「高卒でプロに入った選手に比べると、僕は4年のブランクがある。経験値は低い。プロになったら、その差を埋めたいと思う」
22歳で加入した横浜FMの壁は高かった。2015年途中には期限付き移籍でアルビレックス新潟へ。一時は輝きを失いかけたが、2016年に完全移籍した山形で持ち味を発揮する。落ち着いてゲームをコントロールするボランチとして存在感を示した。2018年からは東京Vでプレーし、いまや欠かせない戦力となっている。緑の名門で持ち前のパスワークを生かし、チームをけん引する姿を見ていると、大学時代の言葉がふと蘇る。
「プロはプレーを見せるのが仕事です」
今季の働きぶりに期待したい。
さとう・ゆうへい◎1990年10月21日生まれ、神奈川県出身。横浜FMの下部組織で育ち、国士舘大へ進学。大学時代に運動量豊富な技巧派ボランチとして大きく成長した。卒業後、13年に古巣の横浜FMに加入し、15年途中に期限付き移籍で新潟へ。16年に山形へ完全移籍し、J2で実績を残した。18年からは東京Vでプレーしている。172cm、62kg