歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第11回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成11年度(1999年度)は若き日本代表がFIFAの世界大会で初めて準優勝という結果を残した年だ。

語り継がれる磐田対清水

 この年は国内サッカーも歴史に刻まれる熱戦が多かった。ジュビロ磐田と清水エスパルスによるチャンピオンシップは、いまも名勝負として語られる。第1戦をホームで迎えた磐田は延長前半の中山雅史の得点で2-1と勝ち越し、先手を取る。しかし第2戦はホームの清水がこれまた延長前半にファビーニョが得点し、2-1として勝利。同2戦ともスコアでPK戦に突入。4人全員が決めた磐田に対し、清水は2人が失敗。磐田がシャーレを手にした。

 Jリーグカップ(ナビスコカップ)では柏レイソルが決勝で鹿島アントラーズをPK戦の末に下して初優勝(2-2/5PK4)。クラブ初タイトルを獲得し、大会MVPにも柏の渡辺毅が受賞した。
 
 天皇杯はサンフレッチェ広島を決勝で破った名古屋グランパスエイト(当時)が4年ぶり2度目の優勝。呂比須ワグナーが先制し、ドラガン・ストイコビッチが追加点を挙げて、カップを掲げた。

 なお、この年から始まったJ2リーグは10チームが参加して行なわれ、1位に川崎フロンターレ、2位にFC東京が入り、J1昇格を決めている。

◆平成11年度主なタイトル一覧
Jリーグ:ジュビロ磐田
天皇杯:名古屋グランパスエイト(第79回・99年度)
Jリーグ杯:柏レイソル
JリーグMVP:アレックス(清水)
Jリーグ得点王:黄 善洪(C大阪)
Jリーグ新人王:中澤佑二(V川崎)
Jリーグ優勝監督賞:桑原 隆(磐田)
高校選手権:市立船橋高(第78回・99年度)
高円宮杯U-18:磐田ユース
大学選手権:国士舘大
Lリーグ:プリマハムFCくノ一

2戦合計3-3で突入したPK戦を制し、磐田が清水を退けてリーグ優勝を飾った(写真◎J.LEAGUE)

静岡のライバル同士のチャンピオンシップは互いに譲らず、2戦とも歴史に残る好勝負となった(写真◎J.LEAGUE)

チャンピオンシップの初戦を落とした清水だが、ホームで迎えた2戦目は同スコアで劇的勝利。だがPK戦で競り負け、惜しくもシャーレを手にできなかった(写真◎J.LEAGUE)

決勝で鹿島を下した柏がJリーグカップに優勝。クラブ初タイトルを手にした(写真◎J.LEAGUE)

名古屋が広島を破って、4年ぶり2度目の天皇杯優勝を飾った(写真◎サッカーマガジン)

Jリーグ順位表(1999シーズン)
順位チーム
1磐田49301711210
2清水6530221720
35830201913
4名古屋54301821016
5横浜FM5330183926
6C大阪53301901119
7V川崎4930172110
8広島48301611311
9鹿島40301411516
10神戸373012414-7
11G大阪323011118-10
12京都313011019-20
13市原283010218-15
14福岡283010119-18
15浦和28308517-19
16平塚13304125-42
※年間順位