年末年始恒例の高校サッカー選手権が、12月30日に開幕する。毎年、優勝争いと並んで注目されるのが、チームを勝利に導くヒーローたち。晴れ舞台で輝きを放つ高校生のプレーは、今も昔も日本サッカー界を沸かせる。

『普通の高校生』が輝く舞台

 名勝負とともに生まれたヒーローもいる。97年度大会決勝では、インターハイ、全日本ユースに続く高校年代3冠を狙った東福岡(福岡)と、6年ぶり6回目の優勝を目指す帝京(東京)が激突した。旧国立競技場が雪に覆われた伝説の一戦は、帝京のキャプテン、中田浩二が先制点をアシストしたものの、東福岡のスーパーエース、本山雅史が逆転ゴールをアシストし、東福岡が2-1で勝利。2人は卒業後そろって鹿島に進み、数々のタイトル獲得に貢献した。

 大迫勇也(鹿児島・鹿児島城西)は2008年度大会で1大会個人最多記録の10得点を挙げ、チームを準優勝に導いた。怪物FWとして大きな注目を集めたが、その後に鹿島やブンデスリーガ、日本代表としてW杯でも活躍したキャリアを見れば、当時の活躍は『序章』に過ぎない。

 一方で、高校選手権での活躍がピークになった選手も数多くいる。そこには、期待されてプロに進みながらも大成しなかった選手だけでなく、このとき以外に目立った実績がない選手も。いわば『普通の高校生』が活躍し、一瞬の輝きを放つところが、現在も高校選手権が特別な舞台であり、人気を集める理由の一つなのだろう。

文◎サッカーマガジン編集部

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