水戸が2連勝を飾った。愛媛をホームに迎えた一戦で、前半はスコアレスに終わるも、後半に2得点。64分にFW小川航基が先制のPKを決めると、77分には途中出場のFW清水慎太郎が追加点を奪取。勝ち点3を上積みし、4位に浮上した。

エースの自覚。「期待に応えられるようなプレーを」

40節愛媛戦でPKを決め、今季7点目。水戸のJ1昇格と来年の東京五輪出場に向け、さらなるゴールを求める(写真◎J.LEAGUE)

 U-22コロンビア代表戦前のJ2リーグ・愛媛戦。「前半の内容は悪かった」と振り返るように、シュート数で相手に3本対5本と上回られるなど、劣勢を強いられた。後半も押しこまれる展開が続いていたが、64分に味方選手が得たPKのチャンスで、「自分がエースだという自覚を見せなければいけない」と、ボールを手に取った。

「鈍感なのか分からないけれど、あまりプレッシャーを感じないタイプ。この1点でだいぶ(試合の)流れが変わるだろうと思っていたので、しっかり決めることができてよかった」

 相手GKの逆を突き、右足のキックをゴールネットへと沈めた。39節山形戦(○3-1)に続く2試合連続ゴール。さらに、J1昇格に向けて勝利を積み重ねたい一戦で、勝ち点3を呼び込む先制点。それは、チームにとっても、今季最多9874人の観衆にとっても、そして小川本人にとっても、“待望”の決勝ゴールとなった。

「1点は1点なので、良いかなというところはあります。ただ、今まで(のゴール)を思い返せば、(水戸でのゴールはチームの)3点目だったり、(追加点が)多かった。だから、(勝負を決める)先制点を取りたかったので、それに関してもよかったです」

 前節までに挙げた6得点中、4ゴールはダメ押し点。2点は引き分けた試合のものだった。小川がゴールを挙げれば、水戸は負けない。それらも価値のあるゴールであることは間違いないが、チームの勝利に直結するゴールを本人は欲していたのだろう。

 今季初の決勝ゴールをスコアし、小川はU-22日本代表戦が行なわれる広島へと向かった。11月17日のU-22コロンビア代表戦は、国内で初めて日の丸を背負って、水戸での成長を示す一戦となる。

「水戸を代表して、日本を代表して(U-22コロンビア代表戦に)臨むわけですから、生半可なプレーはできない。期待してくれる皆さんのためにも、しっかりとその期待に応えられるように、全力でプレーしたいなと思っています。頑張ります」

 11月上旬にお披露目されたばかりの『日本晴れ』をコンセプトとした新たな戦闘服に身を包み、小川は広島の地でどん欲にゴールを目指す。

取材◎小林康幸

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