6月21日に「今シーズン限り」での現役引退を発表した鳥栖のフェルナンド・トーレスが、23日に東京都内で引退会見を開いた。会見場に現れたトーレスは、8月23日のJ1神戸戦が現役ラストマッチになることを明かし、引退後もクラブに残ることや、華々しい18年間のプロキャリアを振り返っての心境などを語った。

上写真=8月を最後に、18年間の現役生活に終止符を打つトーレス(写真◎Getty Images)

現役引退を決意した理由

「現役を引退することを正式に報告します」

23日、東京都内のホテルで引退発表会見を行なうトーレス(写真◎サッカーマガジン)

 これまでJリーグにやってきた外国人選手は数多くいるが、ワールドカップ、EURO(欧州選手権)、欧州チャンピオンズリーグという3つの世界最高峰タイトルを制した実績を持つのは数人しかいない。そんなスター選手の一人であるフェルナンド・トーレスは、会見場の席につき、現役引退を決断した理由を口にした。

「私は常に高いレベルでプレーすることを意識していますが、満足できるパフォーマンスを続けられるか、疑問に思うようになりました。(鳥栖との)契約上は来年まで(現役を)続ける選択肢もありましたが、自分自身が求めるレベルのプレーができているうちに引退するのが一番良いと思い、決意しました」

 鳥栖に加入した昨季は、追加登録された第17節以降で17試合に出場し、3ゴールを挙げた。「昨年、サガンを残留させることはとても難しいチャレンジだったけれど、F・マリノス戦(第33節・○2-1)でゴールを決めて、チームを残留に導けたことは誇らしいし、とても充実した日々を過ごせた」と、振り返る。

 しかしながら今季は、第16節時点で11試合に出場するも、そのうち先発したのは6試合のみ。いまだゴールを挙げることもできていない。「現在はベストなコンディションではない」と言い、自身の心身の状態と向き合う中で、脳裏に『引退』の2文字が浮かんだ。

 ただ、世界的ストライカーにとって、キャリア最後のシーズンを“ノーゴール”では終われないだろう。

「全力でトレーニングに臨み、自分自身とチームメイトがもっと成長できるように励みます。残りの2カ月でチームの状態を少しでも改善させて、サポーターに誇りに思ってもらえるような活躍を見せたい」