7月21日から、群馬県(グループステージ・ラウンド16・準々決勝)と東京都(準決勝・決勝)を舞台に『第43回是日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会』が開催される。開幕を前に、大会の注目選手を紹介する。
 今回は、関東大会で惜しくも準優勝に終わった悔しさを胸に、全国の頂点を目指す三菱養和SCユースの大型FWを取り上げる。

上写真=三菱養和SCユース所属の栗原イブラヒムジュニア(写真◎サッカーマガジン)

「すべてはチームのため」

 身長190センチの大柄な体格を生かしたポストプレーの強さや、ゴールへと向かう迫力は、ユース年代の中でも群を抜く。ただ、それ以上にしなやかな足元の技術にも目を奪われる。栗原イブラヒムジュニアは、センターフォワードとしてのはかり知れないポテンシャルを備えている。

 三菱養和の赤いシャツに身を包み、前線でチームをけん引する。遠く離れたイングランド・マージーサイドの熱狂を思い起こしながら、その舞台に立つことを夢見て、自らを奮い立たせる。

「結構、熱狂的なリバプール・ファンなんです。最近では冬に、親がアンフィールドに連れて行ってくれました。サッカーの街なので、(スタジアムが)燃え上がるというか……。海外のサッカーに対する気持ちが強くなったし、あのような場所でサッカー選手としてプレーしたいな、と思いました」

 記憶を遡って発する言葉の節々からは、高揚感が伝わってくる。欧州王者を生んだ街のサッカーに対する熱量は、想像を遥かに超えるほどすさまじい。それを体感した栗原にとって、サッカーをプレーするうえでの一つのモチベーションともなっている。

 ただ、「好きな選手はクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)」だと言う。その思いには、ストライカーとしての矜持が宿っている。

「点を取る選手が一番すごいですよ。ヒーローですからね。やはり、チームを勝たせるためには点を取ること。もちろん守備も大事ですが、自分はチームが苦しいときに流れを変えるようなプレーだったり、そこで結果を出せるような選手になっていきたい」

 中学時代から世代別代表に名を連ね、世界を意識してきた。「マンチェスター・ユナイテッドとか、シティの選手たちとも戦った」と、同年代の世界トップレベルを肌で感じた。

「(プレーの)基準が変わりました。パスのスピードだったり、ちょっとバウンドしたボールを止める技術だったり、普段日本でやっている中ではあまり意識しないような細かいところだけれど、ヨーロッパの高いレベルで戦っている選手たちはうまい。特に、自分と同じように体の大きな選手には、なおさら『なんでそれできちゃうの?』と思わされてしまう。自分は今のままだと、上のレベルに行けたとしても、なかなか目立てる選手になれない。この身長と、この体格があるのだから、やはり違いを出せないと。自分の立ち位置を思い知らされる機会が多いです」と、ライバルたちとの差を痛感し、危機感を募らせる。

 その差を埋めるためには、まずは日本での日常の戦いから、高い意識で臨むしかないだろう。一つひとつのプレーの質を高め、チームと自身の結果を求める。

「(FWとして)まずはボールを失わないこと。どこのポジションもそうだと思うけれど、特に自分は失ってはいけない。レベルが上がれば上がるほど、(体の)当たりは厳しくなるけれど、まずはこのレベルで、いかに質を高く、何回も繰り返せるか。質とか精度をどんどん上げていって、上のレベルでもやれるような技術を身に付けていきたい。自分がゴールを決めるのも、頑張って走るのも、すべてはチームが勝つため。そこに自分の結果がついてくれば、最高です」

 FWとしての信念を胸に、世界を目指して今日もゴールを目指す。

栗原イブラヒムジュニア[FW/三菱養和SCユース/3年]
くりばら・いぶらひむじゅにあ/2001年8月14日生まれ、三菱養和SC巣鴨ジュニアユース出身。ガーナ人の父を持ち、恵まれた体格を武器に、チームを最前線で引っ張るストライカー。足元の技術も高く、正確なポストプレーが光る。毎年のように各年代別代表にも選出されている。190cm、76kg

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