明日22日早朝、Uー20日本代表がいよいよUー20ワールドカップの初戦を迎える(日本時間6時開始)。北野颯太はそのセネガル戦からチームを引っ張る存在になると誓う。ナンバー10を背負うアタッカーが、大会に臨む覚悟を語った。

上写真=セレッソ大阪で出場機会を得られない時期もひたむきに練習に取り組んできたという北野颯太(写真◎飯尾篤史)

チームとしても個人としても成長した

 チーム屈指の技術を誇り、攻撃の核であることは背番号が表している。今年3月のU20アジアカップでも、今回のU-20ワールドカップでも、10番を託されたのは、セレッソ大阪の北野颯太だった。

 その経歴は輝きに満ちている。16歳2カ月12日で公式戦デビューを果たし、17歳6カ月17日でJ1初ゴールを決めた。これらはいずれもクラブ最年少記録である。高校3年生だった昨季はルヴァンカップのニューヒーロー賞を受賞。高校生の受賞は史上初のことだった。

 そんなC大阪の至宝も、今年はここまで苦しんでいる。

 U20アジアカップでは5試合中4試合で先発し、チャンスには絡んだが、無得点に終わった。C大阪では開幕スタメンの座を射止めたものの、代表活動中にポジションを失うと、その後は思うように出場機会を得られていない。

「戦術的なところもちょっと変わって、途中出場も難しい試合が多くなってしまって……」

 だが、この間に北野がネガティブになることはなかった。ワールドカップを見据えるのではなく、所属クラブでポジションを奪うことだけを意識して取り組んできた。

「ワールドカップのことは頭の片隅にはありましたけど、それがモチベーションではなく、セレッソで試合に出て活躍することだけを考えて、レベルアップするためにコツコツやってきました。試合で結果を残せれば一番よかったんですけど、確実にキレが増したし、足元の技術も磨いたし、メンタル的にも強くなった。もう、やるしかなかったんで。そこは割り切って、出られないなりにやってきました」

 その成果は5月15日に行われたアルゼンチンとの練習試合で感じ取れた。

 アルゼンチンは昨年6月のモーリスレベロトーナメント2022でも対戦した相手。そのときは2-3と接戦のようで、内容面でチームとしても個人としても小さくない差を突きつけられた。

 しかし、今回はそこまでの差を感じなかった。

「1年前は圧倒されたところがあったんですけど、今回は自分の武器である技術やクオリティが通用した感覚がありました。強度のところで課題が残りましたけど、そこもこの数日で仕上げてきましたし、チームとしても個人としても成長したと思います」

 もともと守備で手を抜くことなく、攻撃の起点となったり、チャンスメイクにも回りつつゴールにも迫るオールラウンダータイプ。だが今は、ゴールへの飢えが強まっている。

「やっぱり自分のゴールで勝ちたいっていう思いがある。アジアカップではチームが勝っても自分の点がなかったので、すごく悔しかった。チームの勝利が一番ですけど、やっぱり自分のゴールでチームを勝たせるのが、僕の仕事だと思います」

 U-20ワールドカップの初戦となる5月21日のセネガル戦は、背番号10の面目躍如の一戦としたい。

文・写真◎飯尾篤史


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